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RockyMountainNewsが最終版、米国新聞編集者協会ASNEが総会中止


1)RockyMountainNewsが最終版
150年の歴史を持つRockyMountainNews(コロラド州デンバー、25万部)が27日、「最終版」(last editionではなくfinal edition)を発行した。記者会見では「自分の葬式の音楽を演奏するようなものだ」と編集局長が語っていた。
同紙は1859年創刊。1940年代には倒産の瀬戸際に立ったが、タブロイド版に模様替えし、アメリカ初の「アドバイスコラム」を始め、復活した。2001年に競合紙のDenverPost(ブロードシート版、25万部)と共同業務契約を結び、編集局以外を合併、日曜版も共通化した。両紙はコロンバイン高校銃撃事件でピューリッツァー賞を獲得している。
廃刊後の読者にはデンバーポストが配達され、人気コーナー、人気記者も引き継がれる。
最後のHPに最後のビデオニュースが掲載されている。これを作るノウハウも雲散霧消してしまった。
http://www.rockymountainnews.com/

2)米国新聞編集者協会ASNEが総会中止
4月26日からシカゴで予定。総会中止は戦後初。米国雑誌発行者協会も総会中止。米国新聞協会(経営者組織)の総会は4月5日からサンディエゴで開催。

新聞は生き残れるか」に関する私的まとめ

 「新聞は生き残れるか」に関する私的まとめ

日米の環境変化はほぼ同じだ。

【すでに起きたこと】
  • 高速ネットの完全普及
  • 安価なパソコン(3-4万円)
  • 携帯電話の完全普及と各世帯月1万円以上の通信費支出
  • デジタルネイティブの世帯主化
  • ネット無料文化
  • ネット部門が黒字化した新聞社がほとんどない
  • マス広告の限界露呈、ターゲット広告に技術的目処
  • 新聞の相対的値上げ(メディア関係でデフレしなかった唯一の業種)
【今後起こること】
  • 閲読率85%の世代が死に、その70%程度の人口で、閲読率30%以下の世代が世帯を持つ(今後30年間、年率約1.5%で減少する)
  • 高速無線ネットの普及(携帯電話網と融合)
  • 端末の更なる進化(低廉化)
  • 新聞の絶対的値上げ(用紙代などの高騰)
  • 広告の費用対効果の明確化要求
  • デジタルネイティブの管理職化(広告費の決裁権限を持つ)
では、なぜ、アメリカで新聞社の破綻が続くのに、日本の新聞は生き残っているのか。

【アメリカとの違い】
  • 広告の依存比が比較的低い
  • Craigslistなどネットと相性のいい広告分野の比重が少なかった
  • 平均寿命が5年長い
  • テレビ普及が18年遅い(世帯普及率75%は米は1955年、日本は62年(白黒)(カラーは73年)=55歳の人が18歳の時、アメリカのほぼ全家庭にテレビがあったが、日本の半数にはなかった)
  • 戸別配達が主流
  • 単価が比較的高い
  • 折り込み広告による販売店の健全性
  • 優良資産の蓄積
  • コングロマリットの不在(短期的利益追求が控えめ)
最近の破綻の原因は、90年代に個別社主がコングロマリットに株式を売却した結果、投資銀行出身者が経営に関与し、広告依存比の上昇、ネット部門への過剰投資、買収のための借り入れの爆発的増大によって財務が弱り、金融危機ですべてが逆作用したためだ。要するに、バブルに酔った。日本より大幅に遅れたカラー化もつい最近で、多額の輪転機投資を済ませたばかり。保守的な経営を続けている会社はまだ生き残っている。
(WashingtonPostのカラー化は1999年、NewYorkTimesは1997年で、ウェブサイト開設より遅い)

【アメリカの生き残り策】
  • 印刷部門

    • コスト縮小(減ページ、紙幅縮小、配達廃止、発行日削減)と人員削減
    • 取材部門の縮小(記事共有、ブログ記事取り込み、通信社脱退、海外・首都取材網の縮小・撤退)
    • 編集部門の縮小(レイアウト簡略化、記者校閲、海外を含め外注)
  • ネット部門

    • ビジネスモデルの模索(有料、無料=広告、購読者限定)
    • 多角化(不動産・中古車サイトなどの運営)
    • 別会社化(成長部門として切り離し、別給与体系(高給のエンジニアと低給のオペレーター)をとる、投資資金確保)
    • 統合編集局(速報のネットと編集・解説の紙に分離)
    • 読者取り込みとしてのブログ、メールサービス
    • マルチメディア化(動画広告の取り込み)
    • テレビなど系列統合、系列外からコンテンツ購入(交換)
【ジレンマより無料文化が問題】
有料サイト・購読者サイトを離れ、広告ベースの無料サイトに移った新聞は、深刻なジレンマに陥った。
収入の8割弱を占める広告販売ではクロスセリング(サイドメニューとしてネット広告を売る営業)が採用されたため、新しいクライアント(ネット広告しか使わない顧客)と接触することがなかった。クライアントを拡大するために必要なダウンセリング(より安い代替品を進める営業)を積極的に進める正社員はいなかった。
この隘路から抜け出したのは、別会社化したネット部門が、「印刷部門の対抗会社として」代替品を進め、場合によってはアップセリング(よりパワフルな代替品として新聞広告を進める)する戦略だった。この場合でも、新聞本体を支えるほどの収益は得られていない。
アメリカには、ナショナル広告を取り次いでくれる代理店が弱かったことも影響している。
ジレンマを克服した会社も成功しなかったことと、印刷媒体を持たない身軽な一般新聞が誕生しなかったこと(専業新聞は誕生した)は、(新しい技術によって代替される)純粋な「イノベーションのジレンマ」ではなかったことを示しているかもしれない。つまり、一般ニュースというカテゴリーが消滅する(興味のないことは知らなくても構わない、興味のあることは自ら検索する文化の成立)可能性か、(代替されるのではなく)一方的に価格崩壊した可能性がある。前者は若い世代に起こりつつある。
(あるテーマに興味を持った能動的な人が、専門家による自発的な情報提供を享受する仕組み(ブログなど)によって、「十分代替された」と考える人もいる。しかし、ネット情報の8割はメディアによる第一報に依拠しているといわれている)

NYTimesは、「世界の首都」をベースとして、もっともオンライン化がすすみ、もっとも有利な英語メディアでありながら、収入の2割しかカバーできていない。同紙のバグダッド支局は年間3億円かかる。

業界の致命的なミスは、無料コンテンツを「不足感がない」程度まで広げたため、有料購読を続ける合理的理由がなくなったことだ。価格崩壊を自ら起こしたといっていい。これは広告モデルが成功しようが失敗しようが関係がない。一方で購読料に半分以上依拠している商品とまさに同じ(と一般的に認識されてしまう)ものが、他方で、民放と同様に購読料を払う必要がない商品でもあると矛盾は、必ず解決されてしまう。それは、ニュースに価値はなく、購読料は用紙代と印刷代だという結論になるだろう。その場合、オンラインサイトで課金できるはずがない。
コピーが簡単なデジタルの特性を所与のものとして受け入れ、「ただ乗り」への対策をほとんどしなかった。技術的手段が完璧でなくても、最低限の対策さえとれば、法律的手段で十分抑制することができたはずだ。(紙の新聞がゼロックスコピーされて大量配布、一般配布されたら、現在でも法的な解決を試みるだろう)
アメリカでは2009年現在、価格を再設定するため、専用Viewer開発、電子ペーパー、1記事1円のようなマイクロペイメント(記事単位課金)などが検討されている。

【フリー空間にプレミアムなし】
広告も、ネットと新聞でプレミアムがどこから生まれるか区別する必要がある。「距離の暴虐」から逃れることができるネットの特性に最も適合するのは、グローバルブランドしかない。航空会社や車、国際的銀行の広告がネットに多いのはこのためだ。一方、新聞広告は全国広告から県単位広告、小売店商圏(折り込み)まで、クライアントの目的に応じることができることが強みだった。
シンガポール航空の広告は欧州の日本人にとっても意味があるが、博多大丸の広告は長崎の人にさえ意味がない。ネット広告の単価が安いのは、紙代・配送代が不要だからだけではなく、商圏外の読者に対しても、同一人に対する複数回の表示にも、支払う必要があるからだ。例えば、メール広告の単価は、属性付きリストがある場合に10倍程度上昇する。
一般ニュースより専門サイトのほうが単価が高いのは当然で、グーグルのクリック保証型料金体系が人気なのも当然だ。広告スペースが無限にあることもプレミアムを消滅させている。
紙代・配送代は売上げを嵩上げすることはあっても利益ではない。利益は、新聞が提供していた機能への割増金に他ならず、ネット広告で新聞広告を補うことができないのは、機能が減ったからだ。(折り込み広告の配達単価にすら届いていない
(WallStreetJournalなどを除き)購読者限定サイトが別料金を徴収しないのは、契約へ誘い込むだけではなく、購読者属性を利用して広告単価を上げることができるためだ。

日本の既存新聞にとって有利な状況は、そのまま、対応先延ばし、変革至難の原因になっている。ネットの影響が軽微であるわけではない。顕在化が5年から10年遅れているにすぎない。猶予を与えられたと考えることもできる。

【アメリカとの違いの別解釈】
  • 購読費依存比が高い=「確実に減っていく購読者」が直撃する
  • ネットと相性のいい広告分野の比重が少なかった=マス広告が激減する趨勢
  • 平均寿命が長い=若中年層向けコンテンツがほぼ皆無
  • 単価が高い=大半は配達経費に使われている。アメリカより早く「年間購読費でパソコンが買える水準」に到達した。
  • 戸別配達制度=発言力の大きい流通部門がネット投資に徹底的に抵抗
  • 折り込み広告による販売店の健全性=同上
  • 優良資産の蓄積=経営者に「任期の逃げ切り」誘因
  • コングロマリットの不在=外部人材(情報、経営手法)がなく、伝統的経営
どのビジネスモデルを採用するにしても、記者のマルチメディア対応(あるいは、そのような技量を持った記者への入れ替え)による編集部全体のデジタル化と、(逆説的だが)ネットプロパーな部門のスリム化(早期に黒字化するため。つまり、高水準のコンテンツやシステム構築ができない人は働けない)が必要になる。
そして、(これが一番ありそうにないことだが)業界動向や経理、技術、広告動向の最先端を追う(傍流ではない)ベストアンドブライテストが、少数精鋭かつ自前構築で軽量運営をして、わずかでも利益を出す部門にする必要がある。とりわけ、システムの外注は、10年程度のシステム寿命を持つプリント分野と違い、技術革新が継続するデジタル分野において、慢性的な資金流出となって、永遠に黒字化が望めない原因になる。会社として生き残るためには、不適かもしれない社員を切って、能力ある人材を採用するほかない=アメリカで現に起きたこと

※この点、全国メディアと地域メディアでは、ビジネスモデルも技術も異なる。地域メディアに全国配信能力は無用の長物。

【これからの日本の10年】
  • 広告ベース無料サイト

    • 「生き残った全国紙」によるナショナルニュース・ナショナル広告の寡占(マス広告の独占)
    • 「破綻した地方紙」から分離されたローカルニュース主体サイト(地域広告の担い手?)
    • 通信会社・ネット企業・ベンチャー企業によるニュースサイトの比重拡大(通信社加盟問題、費用負担問題)
    • (間違いなく)広告単価の持続的低下
    • 新聞本体のPRとしての位置付け
  • 有料サイト(月単位で300-700円?)

    • (成功するにしても)印刷・輸送・販売店網が消滅過程入り
    • (成功するにしても)売上額が10分の1、社員が半減
    • 地域性消滅による共同通信加盟社間の混乱(地方紙に関して)
    • (可能性としては)海外を含む市場拡大
    • 集金システム、専用ソフト、専用端末の規格化(あるいは独占的電子流通網の誕生)
    • (ほぼ確実に)広告単価の持ち直し
    • 直接販売化による新たな競争(サービス、価格)
    • 莫大なシステム投資(ダウンできなくなる、決済情報の保持)
  • 購読者限定サイト

    • 無料文化への抵抗(購読への誘因、読者サービス化)
    • ポータルサイトへのニュース提供の制限・禁止、あるいは革命的値上げ(公正取引法などに抵触? 米ではすでに議論の俎上に)
    • (恐らく)広告単価の持ち直し
    • 比較的軽量なシステム投資(決済情報を保持する必要がない)
業界として最も将来性が高いのは有料モデルだが、印刷流通部門を統合している新聞社の経営者にそれを採用する内的誘因が全くない。大抵記者出身で、単一商品が十分な利益を生んできたために、多角化が失敗しても「泣いて馬謖を斬った」経験がほとんどない(赤字部門の補填をする余裕があり、問題をうやむやにしてきた)経営者に、編集部門を救うために印刷部門を切るという判断ができるはずがない。
主体的に行う可能性があるのは、地域性と販売店網の問題がない日経。もし成功すると、電子的流通網を支配する可能性がある。
携帯端末、電子ペーパーなどによって有料モデルが試行される可能性もあるが、流通を完全に他業種に依存するという現実を受け入れられるだろうか。これも、日経や産経が先行する可能性が高い。
社会全体としての利点が大きく、期待収益も最も大きいため、経営者がリストラ責任と売上額激減(利益は増えるかもしれない)を受け入れられる会社が先行する。それには先行者利益の存在が必要だが、規格化あるいは特許という形だと業界は猛反発するだろう。

株価欄すら廃止できない新聞に、自ら道を開いていく決断力はないと思う。
最も蓋然性の高いシナリオは、全国紙が(倒産しない場合)無料モデルを継続、地方紙が(倒産しない場合)購読者限定モデルを移行するもので、約20年(年3%減)かけて、継続的なリストラで企業規模を縮小しながら、購読者3分の1の世界に移行するのではないか。

規模がどうであれ、影響力がどうであれ、位置付けがどうであれ、ハイビジョン時代にシネコンがあるように、新聞は生き残るに決まっている。問題は「公的関心事」を担うだけの余力を保ち続けるか、編集があまり商業化しないように経営が十分に商業化しうるか、という逆説をもてあそぶ余力が維持できるか、だ。
リクルートやぐるなびは感嘆するほど素晴らしい企業だが、リクルートに派遣切りを、ぐるなびに食中毒情報を扱うことは難しいし、期待するのはお門違いだ。「公的関心事」をどうやって担うかが問題だから、(ほとんど実現可能性はないと思うが)アメリカでは非営利団体化を真剣に検討している。

無料ニュースは私有牧草地を共有地に提供するようなものだ。共有地は使った者勝ちだから荒れ放題、だれも手入れをしない。最も満喫しているのは日本ではYahooだ。無料サイトは「共有地なら自分も広く使えるはずだ」という戦略、有料サイト・購読者サイトは広い公有地の夢を諦める戦略だ。自分の土地を利用されただけで、他人の土地には一歩も入れなかったかもしれない。広く使えてはいるが、元々土地を供出しなかった人の方が気兼ねなく牧草を食べ尽くしているかもしない。土地を提供しつづけている新聞購読者に余裕はもうない。
管理人は、都会から来た商人あるいは共産党に「収入が倍になります」「小作から解放されます」と説得されて協力した中国の農奴が新聞だったと思う。生産高が豊かさの源泉なのに、農業技術の話が全くなかったことを不審に思わなかった。結局、地主が変わっただけで、自由になれなかった。
ネット時代にも、自ら耕さなければならない。

オールドメディアである新聞(紙)が長期的に衰退するのは必然だ。

「公的関心事」をだれが担うことになるかについて、別の例えをすると、道路の維持はどうやってファイナンスするのがいいのか。超微小マイクロペイメントが技術的に可能なら、受益者負担が最適なのか。国や自治体が税金で修繕すべきなのか。有料道路と国道を平行して作る理由はなにか。
これまでは「一日乗り放題券方式」の新聞雑誌と「ガソリン税方式」の民放、「一律税方式」のNHKがあった。ネットはただ乗り、「サービスエリアの売上げが増えるだろう」という甘い算段だった。サービスエリアのテナントの経営者が、道路維持費を負担するつもりはない。
NHKは「一律税方式」だからこそ、ネットへの拡大を使命としている。早晩、受信料負担の意味が問われることになり、「税金」に転化せざるをえなくなるだろう(受信料負担者限定サービスになるかもしれないが、それでは公共放送ではなくなる)。
NYTimesなどが検討しているマイクロペイメント(記事単位課金)はETCによる料金徴収だ。乗り放題券とは「哲学」が異なる。ホリエモンが言ったように、市場(売上げ)がニュース価値を決めるようになるだろう。

あるいは、「国内線ネットワーク」に例えることができるかもしれない。航空自由化で最も利益率の高い基幹線に格安航空会社が登場した。既存航空会社も対抗値下げした結果、利用者は安い運賃を享受できるようになった。これは、ネットワークを維持する必要がある既存会社にとって、一番美味しいところだけすくい取る「クリームスキミング」に他ならない。当初は過去の蓄積で余力があったが、経済環境が悪くなると、採算割れの地方路線を廃止せざるをえなくなった。割高な羽田−福岡が羽田-青森を維持してきた。福岡の人に青森線のために割高になっていることを受け入れることはできない。
採算のとれない青森線は不要だと考える市場主義か、最低限維持すべきナショナルミニマムがあるはずだと考える規制主義か。「社会正義」の問題かもしれない。
(この問題を避けるため、電話ネットワークではユニバーサルサービス料を徴収している)

70%の非購読者のうち、恐らく半数が「公的関心事」に関心を持たない人々だ(パットナム「孤独なボーリング」(正確には、「独りでボーリング」)にある、コミュニティー精神が希薄な人々。別に欠陥があるのではなく、例えば、ネットで麻雀を楽しめるタイプ)。残り半分は、安価になったデジタル新聞を購読する可能性がある。それをターゲットにするメディアは既存の新聞業界から生まれ出るのだろうか。

サンフランシスコクロニクル紙に最後通告

1)サンフランシスコクロニクル紙に最後通告
ハースト社は、人員削減を含むリストラ案を組合が受け入れない場合、同紙を売却または廃刊すると最後通告。同紙は34万部でSF最大だが、昨年の赤字は50億円。ハーストはSeattle Post-Intelligencerも売り出し中。従業員1500人を半減する必要がある。
2)毎日JPが首位
ニールセンによる2009年1月のデータによると、ユニークユーザ数は毎日(947万人)、産経MSN(787万人)、産経イザ(742万人)、読売(609万人)、日経(573万人)、朝日(545万人)、時事(461万人)、47NEWS(207万人)の順。注目すべきは、毎日の5割、イザの9割がYahoo経由で、広告的には「出涸らしトラフィック」であることだ。一人あたりのPVは日経(23ページ)、朝日(20ページ)、読売(16ページ)の順。
3)大型広告でも1表示1円未満
NTTレゾナント、マイクロソフト、NTTコミュニケーション、NTTぷらら、ソネットエンタテインメント、ドワンゴの6社は25日、メディアネットワーク広告を販売することで合意。各トップページに4月13日から同時掲載する広告「トッププレミアムボード」は縦240ピクセル×横350ピクセルの大型広告枠で、1週間で約572万人のユーザーに対して配信できるという。料金は表示回数1000万回で700万円、2000万回で1200万円。

オバマ大統領施政方針演説

 クリントンも演説が上手だったが、少々軽薄な感じがしたものだ。オバマは本当に上手い。マイクロイコに対するボブグリーンのような関係といっても、誰も分からないか。
 24日の施政方針演説も、最後の部分にこんな話を差し込んだ。登場する3人は傍聴席に招かれ、演説を遮って拍手で迎えられた。
NYTimesのFlashビデオ

But in my life, I have also learned that hope is found in unlikely places; that inspiration often comes not from those with the most power or celebrity, but from the dreams and aspirations of ordinary Americans who are anything but ordinary.

 しかし、希望というものは意外な所にあるものです。あの鼓舞される感覚は、権力ある人や著名人からではなく、平凡この上ない普通のアメリカ人の夢と願いから得られるのではないでしょうか。

I think of Leonard Abess, the bank president from Miami who reportedly cashed out of his company, took a $60 million bonus, and gave it out to all 399 people who worked for him, plus another 72 who used to work for him. He didn't tell anyone, but when the local newspaper found out, he simply said, ''I knew some of these people since I was 7 years old. I didn't feel right getting the money myself."

 レナードアベスさんはどうでしょう。彼は、新聞によると、マイアミの銀行頭取を辞めるとき、60億円のボーナスをもらったそうです。それを399人の全従業員と72人の元従業員にあげてしまいました。誰にも内緒でしたが、地元の新聞が聞きつけたとき、こう言ったのです。「7歳の時から知っている人たちだよ、あのお金を一人でもらうなんて気が引けるじゃないか」

I think about Greensburg, Kansas, a town that was completely destroyed by a tornado, but is being rebuilt by its residents as a global example of how clean energy can power an entire community - how it can bring jobs and businesses to a place where piles of bricks and rubble once lay. "The tragedy was terrible," said one of the men who helped them rebuild. "But the folks here know that it also provided an incredible opportunity."

 カンザスのグリーンバーグはどうでしょう。竜巻で完全に破壊された後、再建され、クリーンエネルギーで全体を賄えること、それが崩れた煉瓦だらけだったところに雇用とビジネスを生むことを世界に示した町です。再建に関わった人は言っています。「悲劇はひどかった。しかし、それが信じられないほどのチャンスでもあることを、住民は分かっていました」。

And I think about Ty'Sheoma Bethea, the young girl from that school I visited in Dillon, South Carolina - a place where the ceilings leak, the paint peels off the walls, and they have to stop teaching six times a day because the train barrels by their classroom. She has been told that her school is hopeless, but the other day after class she went to the public library and typed up a letter to the people sitting in this chamber. She even asked her principal for the money to buy a stamp. The letter asks us for help, and says, "We are just students trying to become lawyers, doctors, congressmen like yourself and one day president, so we can make a change to not just the state of South Carolina but also the world. We are not quitters."
That's what she said, " we are not quitters."
(草稿ではWe are not quittersの繰り返し)

 ティシェオモベテアはどうでしょう。サウスカロライナのディロンに行ったときに訪問した学校の少女です。雨漏りがし、壁のペンキがはがれ、近くを列車が通るたび、毎日6回授業を中断しなければなりません。この学校は絶望的だと彼女は聞かされてきました。しかし、ある日、放課後に図書館に行き、ここにいる議会の人々に手紙をタイプしました。彼女は切手代を校長先生にお願いさえしたのです。手紙は我々に助けを求めるものでした。「私たちは弁護士や医者、皆さんのような議員や、いつかは大統領になろうと勉強している生徒です。だから、サウスカロライナ州だけでなく、世界を変えることができると思います。諦めるような人間ではありません」
 我々も諦めるような人間ではありません。

These words and these stories tell us something about the spirit of the people who sent us here. They tell us that even in the most trying times, amid the most difficult circumstances, there is a generosity, a resilience, a decency, and a determination that perseveres; a willingness to take responsibility for our future and for posterity.

 こんな言葉、こんな話を聞くと我々をここに送り込んだ人々の魂が分かります。最も厳しい試練、困難な状況においてさえ、惜しみなさ、粘り強さ、礼節、決意、未来と後生に対して責任を負う意志があるのです。

Journal Registerが破産法申請、Philadelphia Newspapersも破産法申請

1)Journal Registerが破産法申請
同社は22日に破産法11条の適用を申請した。負債約700億円。発行は継続。
2)Philadelphia Newspapersも破産法申請
フィラデルフィアのDailyNews(10万部)やInquirer(30万部)を発行する同社が22日に破産法11条の適用を申請。
3)その次は?(ジャンクボンド扱いされているメディア企業)
  • GateHouseMedia=291週刊紙(合計93万部)、92日刊紙(合計83万部)、電話帳(76万部)
  • McClatchy=30日刊紙(Miami Herald, The Sacramento Bee, the Fort Worth, Star-Telegram, The Kansas City Star, The Charlotte Observerなど)、50週刊誌、全米最大の求人サイトCareerBuilder.comの14%
  • Media News=54日刊紙(DenverPostなど、計240万部)、1テレビ局など
  • Morris Publishing=13日刊紙、雑誌など

4)NYTimesが無配転落
複数議決権株式を通じて同社を支配するサルツバーガー一族が受け取る配当は年間約2500万ドルだった。一族の家族信託は同日夜のプレスリリースで「景気情勢とメディア業界の直面する課題を踏まえて、受託者らは取締役会による配当停止がすべての株主の最善の利益になると確信している。すべての受託者は、ニューヨーク・タイムズの編集権と独立性の維持に引き続き尽力していく」と述べた。同社は数年以内に償還期限を迎える社債10億ドルを抱えるほか、10-12月期末までに現金約5700万ドルを返済する必要がある。米大リーグのレッドソックスと本拠地球場フェンウェイパーク、放映権を持つCATVの大半を持つニューイングランド・スポーツ・ベンチャーズ(NESV)の株式17.5%を保有しているが、昨年末に、その持ち分の売却に向けた取り組みに着手したと発表。先月には、分離型新株引受権付きのシニア無担保社債(利率約14%)と引き換えに、2億5000万ドルの出資を受けることでメキシコの富豪カルロス・スリム氏と合意した。タイムズは52階建ての本社ビルの持ち分の一部についても、売却した上であらためて賃借するリースバックを図る。

5)マードックの指摘=ここから股引き
同氏が考える現在の新聞業界最大の2つの問題点は、新しいテクノロジーから派生する競争と、「編集部門の中心部に広がっている自己満足と横柄さ」だ。「時代遅れになるのは新聞自体ではなく、新聞にとって最も貴重な財産である読者とのつながりを忘れている編集者や取材記者、経営者だ。昔はひとにぎりの編集者だけで、何がニュースかを決めることができていた。いわば神の決断のようなもので、彼らが取り上げた記事がニュースとなったし、彼らが無視した出来事は起こらなかったも同然だった。しかし、今は違う。編集者からそうした力は失われつつある」

米雑誌出版大手プレイボーイが会社売却を検討

1)明報アメリカ版が印刷中止
香港資本「明報」がニューヨーク版、サンフランシスコ版の印刷を中止、オンライン版に移行した。競争紙「星島」との競争激化で。
2)米でリストラ続く
Dallas Morning Newsなどを所有するベロ社が500人を解雇。アイダホのPost Register紙は月曜日の発行を中止。シカゴのKane County Chronicleは土曜版と日曜版を統合し、月曜版を中止。ヒューストンのChronicle紙も従業員の10%を削減。ロサンゼルスの Daily Newsも整理記者8人を解雇。
3)Journal Register社が破産秒読み
20日刊紙、180地方紙を所有するJournal Register社が返済猶予期間を超過、債権者とリストラ計画について交渉中。大半の新聞を売りに出している。株価が昨年秋、1株0.5セントにまで下落、現在は1セント。
4)記事交換
New York Daily Newsを含むNY周辺の5紙が昨年から記事交換。オハイオで5紙が、編集者だけがアクセスできるオンラインサイトに記事を表示して取捨選択するシステムを使って記事交換を始めたことがハシリ。
5)免税請願
存亡の危機にあるSeattle Timesなどが2015年までの免税(80億ドル)を求めて上院委員会に請願。対抗紙Seattle Post Intelligencerは3月15日までに買い手が現れなければ廃刊。
6)プレイボーイも身売り
米雑誌出版大手プレイボーイが会社売却を検討。同社がこの日発表した2008年10−12月期決算は1億4570万ドル(約140億円)の純損失で、5・四半期連続の赤字となった。

ローター、朝日、ソネットなどが広告提携

1)ベストデザイン新聞に5紙
第30回新聞デザインコンテストがベストデザイン新聞に5紙を選ぶ。アジアからの入賞は中国の個別作品17点。
2)ローター、朝日、ソネットなどが広告提携
ビジネスマンや富裕層をターゲットにした広告商品「ビジネスプレミアムネットワーク」を発表。「ロイター.co.jp」「asahi.com」「AFPBB News」「jiji.com」「ダイヤモンドオンライン」「東洋経済オンライン」「プレジデントロイター」「CNN.co.jp」が参加。「1次配信の媒体が主導して立ち上げる日本最大級のアドネットワーク」で、合計月間1億PV規模、3000万人UI。課金形態はCPM。配信単価は1.2円(50万imp〜)からで配信期間は1カ月。枠数を限定し、imp数を増量したパッケージメニューも用意する。

紙面改革に外国人デザイナー

1)紙面改革に外国人デザイナー
インドの英字紙ヒンディスタンタイムズが紙面改革をマリオガルシア率いるデザイン会社に依頼。同社はWSJなどのメディア企業の印刷、Web、携帯サイトを総合的にデザイン。
2)Slateが仏版
オンライン雑誌の草分けSlate.comが仏版をスタート。マイクロソフト資本で1996年創刊、昨年ワシントンポストに買収された。年内の目標ユーザー数は70万人。
3)SCMPが台湾版
香港英字紙サウスチャイナモーニングポストが年内にも台湾版の印刷を開始。中国語と英語のちゃんぽんになる予定。
4)WSJオンラインがインド版
例外的に攻めまくっているWSJがスペイン語版、中国語版に続いてインド版をスタート。年内には日本語版も始まる公算で、日経ビルに入居しているダウジョーンズジャパンが引っ越すのか興味津々。日経も、社長が「新聞研究」で英語版による海外強化をうたっている。
5)PlasticLogic社がUSAtodayなどと提携
電子ペーパーを使用したリーダーを開発しているPlasticLogic社(シリコンバレー)がUSAtodaなどと提携、2010年の製品化を目指す。サイズが8.5×11インチと大きくタッチパネル付き。PDFやexcel文書を開くことも出来る。組み立てはドイツ。ハードウエアとしては最も進んでいる。カラー化は2011年以降。
問題はおそらく無線LANであること。Kindleがハードで劣っても50万台売れたとされるのは携帯電話網を利用してPCを不要としたため。(ただし、PC利用が前提のiPodが普及した現在、可能性がないわけではない)

Kindle2発表

1)Kindle2発表
旧型と同じ359ドル。電子ペーパーは600×800、白黒16階調。メモリーは2GB(1500冊)。厚さ9ミリで280グラム、音声合成読み出し、Webブラウザ、辞書を内蔵。Sonyの電子リーダーとの違いは携帯電話網を使うこととタッチパネルがないこと。台湾で製造していると思われる。23万冊の本のほか、メジャー新聞が月間10-14ドルで購読できる。NYTimesの購読者は1万人以上だと噂されている。端末359ドル+2年間336ドルでほぼ印刷版購読費と均衡するので、2年間契約を条件に端末を配ることが可能になった。
英ランダムハウス(独ベルテルスマン傘下)の社長は廃版本の電子化を進めている。フォーマットが独自仕様であり、Amazonに流通が縛られてしまうことについて、「守りの戦略では成功しない。この分野ではamazonが最大手だ」という立場。
Sonyの電子ペーパーリーダーだけでなく、iPhoneやGoogle Androidも電子本を閲覧するソフトを開発しているといわれている。

2)発言小町もペイせず
読売新聞の女性向け投稿サイト「発言小町」は2008年5月に月間1億PV到達。読売全体3億2000万PVの3分の1だが、広告収入は少ない。広告キャンペーンの投稿トピックも伸びず。投稿数は1日3000件。担当者一人で1000件程度チェックし、不適切投稿を削除する。「収入の少ない夫に仕事後アルバイトをさせた」という投稿に1日で数千PVを記録し、サーバー負荷も考慮し掲載を取り下げたという話は泣かせる。反感を買いやすいキーワードは「海外在住」「都内の一等地」など。

NYTimesのQ&Aで言及されているマルチメディアコンテンツへのリンク

この水準にたどり着いたメディア企業はここだけだと思う。英語が分からなくても体験する価値がある。
  1. 800万人の一人(2009年2月現在、ジャーナリズムの到達点だと思う)
  2. 戦死者の顔時系列地図音声記事
  3. 大統領を選ぶ(動画と写真をAfterEffect(多分)で編集したビデオ)
  4. 北京五輪メダル地図(純粋内製ではなかったことを知って、思わずホッとした)
  5. グアンタナモ基地データベース(公開請求した文書のViewerも組み込まれている)
  6. 消費者物価データ(こういう表現方法は何というのだろう)
  7. パキスタンブット首相時系列(速報ニュースとして作った!)
  8. イスラエルガザ地区侵攻(「update」で侵攻の様子を図示している。これも速報系)

NYTimesのマルチメディアチーム

Gabriel Dance(左から)
上級マルチメディアプロデューサー、音声編集からプログラムまで、インタラクティブをすべて担当する。主な関係プロジェクトは、死者の顔(イラク戦の米人死者)、選挙の言葉。
Matthew Ericson
グラフィックス副次長。ネットと紙、両部門のグラフィックスを担当。2003年にフィラデルフィアインクワイヤー紙から転職。
Steve Duenes
グラフィック部長。部員30人。
Aron Pilhofer
データ駆動グラフィックス担当デスク。CAR(コンピュータ支援による報道)チームのリーダーとして2005年に転職。
Andrew DeVigal
マルチメディア部マネージャー。部員10人。2006年転職。業界最先端を保つ責任を担う。

【Q&A】
− オンラインのデザイン原則は何か
Steve Duenes 全体のデザインはKhoi Vinhのチームが担当している。読者は、どうやって動かすかと探ってくれない。データが複雑でも簡単でなくてはならない。結果としてメニューは少なくなる。大統領選挙データ地図(by Matthew Bloch,Shan Carter,Matt Ericson)なんて好例だと思う。
Matthew Ericson インターフェイス(メニューなど)が邪魔にならなず、データを前面に出そうと心がけている。データよりも操作性に凝ったものは、結局うまくいかない。過小評価されていると思うことは応答性だ。この大統領選挙マップは、3141投票区の結果をロードしてズーム操作が滑らかにできるような最適化のために、大変な時間を費やした。Aron Pilhoferのチームが2分ごとに全データを更新してくれた。地図は沢山作られたが、我々はスピードと操作容易性で他を引き離していたと思う。
Gabriel Dance 開発者として、取材記者に対する責任を感じている。わかりにくいと見てもらえない。「死者の顔」では「多数の中の一人に過ぎない兵士」の感覚を表現した。「800万人の一人」はインターフェイスが内容に基調を与えていると思う。

− ジャーナリストプログラマー(programming journalist)になりたい。何を学ぶべきか?
Aron Pilhofer ジャーナリストプログラマーという領域は確立されたものではない。しかし、ジャーナリズムの将来はオンラインにあるのだから、ジャーナリズムとテクノロジーの知識は絶対に必要となる。タイムズのチームには、Flash、GIS(地理情報システム)、ビデオ編集、データベース、統計学、3Dアニメーションの専門家がいる。私のチームはCSS/Javascript、Ruby on Rails、Django/Pythonが得意です。
異論はあるかもしれませんが、コンピューター学科の授業は学問的すぎるという人もいますし、複雑な問題に対処するにはそういう背景知識が必要だという人もいます。私自身は、ほかの人と同様独学です。
SND(ニュースデザイン教会)やNICAR (全国コンピューター支援報道機関)、オンラインニュース連盟が講習会を行っています。
Gabriel Dance 私はコンピューター科学の学部を卒業しましたが、プログラムは趣味という気持ちです。新聞社に就職してから、科学報道について学びたいと思うようになり、北カロライナ大学院に入り、初めて「マルチメディアジャーナリズム」という言葉を聞きました。ビデオやラジオ、写真や報道関係法の講義を受けました。学生のいろいろな作品がNYTimesのような会社の目にとまったのです。
ここで働いて、間違っていたと分かったのは、優秀な人は1年程度でプログラミングを学べると思っていたことです。インタラクティブな作品の開発はコンピューター好きで技術に深い興味が必要です。大学ではコンピューター科学の講義をとり、Flash講座では得られない基盤としてください。
Steve Duenes ジャーナリストの部分も忘れないでください。技術に詳しい人も多くいましたが、どんな情報を追求すべきか分からず、辞めていきました。

− デジタルコンテンツの寿命についてどう思っていますか?
Matthew Ericson 確かに、50年後も動くマルチメディアコンテンツを保存することは難しく、新聞の切り抜きのようにはいきませんね。しかし、リアリスト的に言えば、きょうの新聞はあすのfishwrap(魚の包み紙)。紙メディアの寿命は1日です。
デジタル作品のメリットは現在進行中の出来事です。五輪メダル地図は記録が出るたびに更新されていきました。選挙ガイドでは、候補者を追いかけました。グアンタナモ基地のグラフィックスは今現在の収容者のデータベースです。もう大統領選挙から2ヶ月経ちますが、選挙結果地図には毎日数千PVがあります。

− オープンソースへの取り組みは
Aron Pilhofer すでに2つDBSlayerとXSL Cacheを公開しています。春にはDocument Viewerを公開できると思います。2月にはTimes Openというイベントを開き、開発者と公開APIについて意見交換します。

− 速報にどう対応しているか
Gabriel Dance 働き始めたとき、事件が起こるたびにSteveのチームに引き込まれました。そのうち、事件では同じ表現形式が使われることに気づき、雛形を使うようになりました。いまでは、事件発生で呼び出されることはありません。一番大切なのは正確性で、クリエイティブな要素ではありません。
Andrew DeVigal インドのブット首相暗殺事件を例にとると、写真部長のPatrick Wittyのセンスが生きて、パキスタンにいるカメラマンJohn Mooreの写真を目撃談付きスライドにしました。Soundslideという外部ソフトを利用することで、システムよりも内容に集中できました。インタラクティブ時系列表は、Aronが米大統領候補の時に使ったシステムを利用しました。これはデザイナーが扱う雛形とシステムを分離している優れものです。

− 北京五輪のメダル地図はどう生まれたのですか
Matthew Ericson データを見て、メダル数が冷戦の歴史や中国の台頭を見て取ることが出来ました。これを表現するために、我々はDorling cartogramを採用しました。アイデアは2001年に週刊誌フォーチュンでJohn Tomanioが作った世界500社地図を参考にしました。
過去にも同様のカルトグラムがありました。2003年のカリフォルニア州住民投票を見てください。これらはデザイナーが手置きしていました。しかし、今回は、メダル数が大会期間中に変化していくため、動的に配置する必要があったのです。
インターン学生のLee Byronが「粒子系を使った力ベクトルグラフ」という、Flashで動くアルゴリズムを作りました。地理的な位置を出来るだけ保ちつつ、隣接関係を出来るだけ維持するような地図を、on the flyで(動的に)描くプログラムを作り上げたのです。

PBS「News War」のHyperlocalに関する議論

PBS「News War」のHyperlocalに関する議論(2007年)
ウォール街、経営者と編集者の議論が対照的。
ニュース取材なんて簡単だと思っている部外者と
必要以上に難しいと思わせたがる編集者という構図


Bobrinskoy(トリビューンの第5株主アリエルキャピタルの副会長)
全国の新聞社が生き残るためにやらなければならないことは地域ニュースだ。人々は、自分のコミュニティーで何が起きているかを読みたいのだ。ネットではそういう情報は分からない。イラクで何が起きているかは分かるだろう。ワシントンで何が起きているかも分かるだろう。でもデモワンに住んでいる人がデモワンで起きていることは分からない。
LAタイムズは不幸にもこのことに気づかなかった。国際ニュースも取材する全国紙になる必要があると決めた。イスタンブールやカイロなど20の海外支局がある。イスタンブールで起きていることが知りたくてLAタイムズを読む人はいない。LAタイムズとは何なのか、誰が南カリフォルニアで起きているニュースを伝えるのかを理解することが重要なのだ。
これが、新聞業界について楽観的である理由だ。地域ニュースに焦点を絞れば、新聞以上のニュースソースはない。

Rob Curley(ワシントンポスト)
誰かが第四の権力になるというのは非常に大切だ。誰かがテーブルの下を覗いて、コミュニティーの番犬にならなければならない。編集局で「このデカい調査報道をやりたい人は誰? このプロム(高校生の卒業パーティー)を取材するのは誰?」と聞いたら、多分、全員が調査報道に手を挙げるだろう。それは構わない。しかし、ある点で、プロムを取材する必要もあるのだ。これは二者択一の問題ではない。我々は大文字のジャーナリズムと小文字のジャーナリズムをやらねばならない。言いたいのは、我々は小文字のジャーナリズムの仕方を忘れているのではないかということだ。私は部数19000の新聞から来たので知っているが、こういうものの力を過小評価すべきではない。
それは読者とつながることだ。読者が重要だと考えることがあれば、それは重要だと考えなければならない。すべてのプロムを取材すると言っているのではない。しかし、それは誰かの人生の大切な一部だということを認めるべきだ。バランスが難しいし、私が答えを知っているわけではない。ただ、大文字のJと小文字のJをネットで試みているだけだ。
washington.comが成功しているのは、ワシントンポストが地方紙だからだと思う。土曜日のワシントンポストを見ると、高校スポーツのスコアや写真がいっぱいあるでしょう。もちろん(アメフトの)レッドスキンズもありますが、とてもローカルなスポーツもカバーしています。立派なメトロ版(地方版)があるのです。一方で、我々の地元は大統領の地元でもあり、全国の関心を呼びます。これは素晴らしい資産です。世界中に支局があり、ホワイトハウスも国会も取材する記者がいる。それで有利なのです。
LAタイムズの友達と話したのですが、彼らの国際的なブランドはホワイトハウスではなくハリウッドだということを分かっています。だからそれを生かすでしょう。
Hyperlocalは我々の唯一の戦略ではありません。動画もあり、(電子端末や携帯向けの)マルチプラットフォームもあり、ニッチ戦略もあり、新ブランドを独立させる戦略もあります。すべてが成功する必要はありません。

Lauren Rich Fine(メリルリンチ)
質の高いジャーナリズムと低いものとの差に読者がお金を払うとは思いません。もし、完全にネットに移行して印刷輸送部門を切り捨てることができないなら、編集スタッフを切る以外にありません。ある種のイベントには大記者は必要ありません。もし地方紙を経営するなら、強烈に地元志向に進みます。イラクやイスラエルの戦争のことを知りたくて地方紙を選ぶ読者なんていないと思います。地元政治、犯罪、高校スポーツを見たいのです。
高校スポーツ担当なら、観客にBlackberryを与えて起きたことを全部送ってもらいますね。私は全部オンラインで、地元の人の名前が満載された記事を作らせます。地方政治担当なら市民ジャーナリズムは信用しません。そういうものは訓練を積んだ記者に任せます。ただし、地元コミュニティーに密接な関係のある記者です。どんな人か知っている記者の記事にどれほど興味を持つか想像してみてください。

Dvid Hiller(LAタイムズ発行人)
南カリフォルニアの読者とつながること、コミュニティーの最も欠かすことができない存在になることが一番の仕事だ。その一部が国際報道であり、他民族で移民の多い地域があるコスモポリタンなロサンゼルスで国際ニュースも地域ニュースもないと考えている。

james WShea(LAタイムズ編集局長)
(シカゴトリビューンのChicago Onlineについて)悲惨だ。言い過ぎた、うまく行っていない。学校の給食メニューに至るまでサイトに話題に上るすべてのことを集めた。そして誰もこなかった。彼らは言った。「これはシカゴトリビューンに期待されていない。もしそういう情報が欲しいのなら週刊誌PioneerPressに行く。我我が期待するのはもっと地域を見てほしいということだ。アーリントン高原で環境問題がある、それはオークパークよりましなのか、酷いのかというような」。オンラインで超ローカルになってもうまくいかない。我々は8つの地方面を作っているが、それがいわゆる超ローカルではないだろう。
記者や情報収集人を地域に突っ込んでとても細かいデータを集めることはできるだろう。でも「これは未編集です。あなたが教育委員会に行けば貰えるデータです」と言わねばならないだろう。データの意味を知りたければ、新聞を読まねばならない。私にとって、これが地域報道だ。

米PBSによるYahooニュース部門責任者のインタビュー

米PBSによるスコットムーア(Yahooニュース部門責任者)のインタビュー
Yahooがまだ好調だった2006年10月のインタビュー。
金を払っているという立場、いつでも独自に取材できるが、
今はやらないという交渉姿勢は現在のYahooJapanも同じ。


-ニュースの80%は新聞などのニュース機関が集めています。しかし、インターネットがそのモデルを支える利益に切り込んでいます。だれが支えるのでしょうか

ちょっと言いたいのですが、現実にはAP通信、ローターなどの通信社がニュースの大半を集めています。地方新聞の全国ニュース、国際ニュース、スポーツはすべて通信社が供給しているのです。AP通信のオーナーは新聞社ですが、Yahooは提携して年間数億円のライセンス料を払っています。つまり、我々はニュース収集のインフラに直接お金を払っているんです。あなたがAP通信で、インターネットのようなメディアに記事をライセンスでき、数十億円も増収があるのなら、そうするでしょう? それがいま起きているのです。

-しかし、APは加盟社が供給したニュースも配信するようになった。それはある種の再利用ですねが。

APは独自の記者で取材をしています。全米最大規模で、どの新聞社単独より大きいでしょう。地方新聞は地元のニュースを取材し、APに供給しています。APはネット企業にそれをライセンスしていません。APが独自で制作したニュースだけライセンスしているのです。
ーということは、あなたがAPプロパーのコンテンツに料金を払っているだけで、加盟社には払っていない
そういうことです。加盟社がニュースを供給し、あるものは混じってしまうでしょう。しかし、たとえば、LAタイムズが作ったコンテンツは彼らが配信しなければYahooにライセンスはありません。

-YahooであれMSNBCであれ、従来の報道機関に比べて小さいですが、将来、あなた方は加盟分担金を負担することができるでしょうか。

総じて言えば、YahooやMSNBCはすでに多額の費用を払っています。今後、我々の収入に応じて増えていくでしょう。しかし、力学はさきほどお話しした通りです。読者がオンラインに移り、アテンションがオンラインニュースサイトに移れば、コンテンツ制作者はその後を追う意外にないのです。

-YouTubeのように、コンテンツを盗用するという問題を避けるためにAPと契約しているわけですね

正当な対処方法でしょう。我々は権利者と交渉し、ライセンスを得ています。昨年もCNN、ABC、ウェザーニュース、CBSとビデオ供給の契約をしましたし、今後も増えていくでしょう。
最近もHuffingtpnPostと提携しました。コンテンツ収集となると、誰とでも連携します。それは、一般の人がビデオを撮ってネットに流すというのとは全く別の話です。

-全然違う? でもGoogleはAFPに訴えられていますよね

Googleは契約をしていないコンテンツを彼らのサーバーから配信した。彼らがやっているのは、AFPのサーバーからコンテンツを引き出して自分のサーバーに陳列したのです。彼らの主張は「我々はあなたのサイトにリンクを張っている。つまり、ただであなたのサイトの広告を提供している」ということで、AFPは「そのとおり。でも、広告を載せようと載せまいと、我々のコンテンツを使用できない。あなたにはライセンスがない」。
Yahooは全く違います。我々も検索エンジンでリンクを提供しています。これは確立された営みです。フランスの著作権はアメリカと少し違うのですが、AFPは、ライセンスがないから著作権を侵害していると訴えているのです。GoogleはAPとは契約しました。だから、他の機関ともそうすべきなのです。そうする責任はあると思いますよ。

-現場ではYahooやGoogleがコンテンツを奪って金儲けをしていると誤解していますね

全くの誤解です。

-LAタイムズを買収して、コンテンツを制作する組織を救うというのはどうですか?

そんな必要はないね。古い、ある意味で成熟したビジネスは何であれ、新しい技術や流通手段に脅かされて、大きな困難に直面して、決断を迫られることはあるでしょうね

-もし新聞が滅びたら、コンテンツはどこから入手しますか

第一に、新聞は滅びるんでしょうか?LAタイムズは1000億円の売上げがあり、200億の利益がある。悪いビジネスではないでしょう。おまけに事実上、競争がない。問題は、もう新聞に興味を持たなくなった若者にアピールするか、読者を増やすことができるかどうかです。
若い人はニュースに興味を持っていますよ。インターネットが発展してはっきりしたことは、ニュース志向は大きくなる一方だということです。それに対応した新聞社は上手くやっているじゃないでしょうか。
NYタイムズは10年前まで、もっと最近かな、丸一日ニュースを更新しませんでした。つまり、夜中に新聞を作り、配る。いま、NYタイムズは何分前に更新しました、なんてことをしている。彼らはネットに対応したのです。その結果、タイムズのブランドはずっと向上したと思います。いまや押しも押されぬ全国ブランドです。

-しかし、株価は低迷しています。ウォール街は問題だと思っています

そうですか、投資という意味ではそういうことでしょう。しかし、NYタイムズがあす消えるわけではないでしょう。移行の最中で、40年前とは違うし、戻れないのです。

-NBCは番組を切り、スタッフを削減していますが、ニュースは拡大しているから心配は要らないと?

NBCがMSNBC.comに投資を増やしているかどうかは知りませんが、MSNBCは儲かっていますよ。月間2500万人が見ていて、これはYahooの20%以下ですが、それでもかなりの規模です。人員削減はテレビ部門で利益が減ったからでニュース部門ではないと思います。インターネットのインパクトはすべての領域に及びます。娯楽も、三大ネットワークが享受してきたお金にも。

-NYタイムズやWポストのような賢い新聞社は、生き残るだけなく、拡大する?

そう思います。彼らはネット対応していない新聞社からシェアを奪っているでしょう。あと5年、10年したら、誰かが(NYタイムズなどに)地元ニュースを提供することに旨みを見つけるんじゃないでしょうか。つまり、スタッフを傭って、全米の大きな都市にオンライン専業の取材会社を作り、地元新聞と競争する。新聞のような高いコスト構造がないから、読者を奪い、高い利益を上げる。そういうことは起こると思います。

-朝、コーヒーを伸びながら新聞を読む人が死に絶え、電子端末で読むようになる?

Slate創業者のKinsleyは、トイレで読めるようになったら成功だと言っていました。我々はまだそこまでたどり着いていませんが、10年前よりは近づきました。Blackberryのような携帯を想像してみてください。
新聞がなくなるなんて思っていません。紙の新聞や紙の本をめくるのが好きな人はいるでしょう。しかし、新聞も雑誌も数は減っていくでしょう。

-将来、Yahooが記者を持つということはあるでしょうか

可能だと思います。いまでも可能です。そういう計画もあります。来年1月にはOdd News Undergroundといって、記者が歌を作るのですが、その歌う記者がエキセントリックな話題を取材します。実験をしますし、ジャーナリズムに関して革新はしようと思いますが、しかし、大量の記者を傭う必要はありません。ライセンスはあるのだし、お金を払っています。

「新聞を買う日」運動

1)米Cox社が新聞売り出し
アトランタのCox社は傘下の29紙(地域紙10紙を含む)を売りに出している。CoxはDaytonDailyNewsを母体とし、16日刊紙、16週刊誌、テレビ15局、ラジオ81局を所有するメディア企業。目玉のAustin American-Statesman(約20万部、全米60位)はオンラインサイトに読者のブログスペースを提供する新聞だが、半年間で5.6%部数を減らした。
2)州政府が救済検討
フィラデルフィアインクワイアー紙などを所有するPhiladelphia Media Holdingsが州に救済を要請、州知事が検討している。昨年9月に債務満期を迎えたが、債権者が猶予を与えている。
3)「新聞を買う日」運動
アラスカの記者Chris FreibergがFacebookで「このままでは2010年までにいくつかの都市で新聞が消える。これは恥ずべきことだ。2月2日、まず一日だけ地元の新聞を買ってください」と呼びかけ、20000人が参加表明。別のグループが13日にも予定している。
4)WSJでもリストラ化か
インターネット時代の勝ち組新聞と思われていたウォールストリートジャーナルが50人レイオフと週刊誌Portfolioが報じる。
5)英フィナンシャルタイムズがスポーツ欄廃止
6)カナダでもレイオフ
カナダ最大Globe And Mailが希望退職応募者60人のうち30人(約5%)を解雇。Halifax Chronicle Heraldは記者の4分の1にあたる24人に解雇通知を送った。
7)GoogleNewsが新サービス
GoogleNewsをブログに貼り付けるWidgetを公開。(GoogleNewsに広告を掲載しておらず、新聞社サイトの2-3割がGoogleから流れ込んでいる事実から、同社は新聞ビジネスをただ乗りしていないと主張している。ごもっとも)
8)アマゾンがKindleの新端末発表か
週明けに発表の噂。2008年に50万台売れ、iPodを上回るという調査も。

米PBSによるStephen Grayのインタビュー

米PBSによるStephen Grayのインタビュー
(アメリカ新聞協会による新聞再生プロジェクトNewspaperNextの責任者)

ーNewspaperNextの課題は?
 新聞社に実際的なツール、ビジネスモデルを多角化するコンセプト、手順を与えることです。ビジネスモデルは衰退中で、何が起きているかを多様な視点から理解し、新しい読者を獲得するために何をすべきなのか示したかったのです。
ーだから、最初にリサーチがあり、トレーニングがあるのですね
1年目の2005年秋、ハーバードのクリステンセン教授のコンサルタント会社と契約し、何が起きているのか調査しました。基本的には、崩壊した産業60部門を研究したクリステンセンのアプローチを用い、新聞が崩壊産業の典型シナリオを歩んでいると分かりました。
1年目は7つの新聞サイトをデモサイトに選び、ニッチな読者のために一緒にコンテンツを作りました。2006年には、初期のトレーニングを受けた会社が何をしているのか、再調査をした。それは、紙媒体、サイトや中古品店まで、24のプロジェクトです。これがNewspaperNext2.0のレポートになりました。
ーうまくいったアプローチは?
確実なのは、新聞はマス市場の製品で、そういうものだと思っていたのに、最も成功したのはニッチ市場向けのコンテンツだったということです。ニッチ向けコンテンツが、総読者数を増やし、加えて、ニッチ向け広告も売ることができるようになったのです。
最近は、従来読者ではなかった人々に向けたサイトを持つところも増えてきました。農業地域で農家向け出版物、母親向けサイト、若者向けスペイン語サイトなどです。
ー大変だったのは?
新聞ビジネスには2つの側面があります。一般消費者とビジネス業界です。ビジネス業界にとって、新聞は消費者とコミュニケートする手段でした。新聞社の人々は、一般消費者がどのような生活を送っているか想像して、望むコンテンツを作ることはとても得意です。しかし、彼らに、これまでお客さんではなかったビジネス層のために、新しい仕事をする必要があるということを理解させるのは至難の業でした。
8000人のビジネスマンがいて、広告を使ってくれるお客は2000人だとすると、4分の3はお客さんではないのです。彼らは顧客と1対1の関係が欲しいのかもしれないし、何かを決定するときに尋ねたいのかもしれない。これまでは電話帳がその役割を担っていました。しかし、イエローページは今後4年間に39%も減収するそうですね。ますます、ネットを頼るようになるのです。しかし、Googleがいつまでも十分であるわけではありません。
我々は「これこそがやるべき仕事だ」と言っています。新聞の広告部門が頭を切り換えるのは難しいですが、全員がマス広告を求めているわけではありません。まず、このニーズを理解して、必要な技術を使ってそのニーズに応えようというのです。
ー編集者がニッチな読者のために編集するよう考えをあらためるべきだというご指摘と同様、広告部門も印刷媒体の高額広告よりも小規模なローカル広告を考えるべきだと?
必ずしも小規模ではありませんよ。新聞協会では最近、記事を売るのではなく読者を売ろうと説いています。私の考えではそれは必要なことの一部です。新聞をつくり、広告を売る。しかし、広告は売れない。新聞協会はこう述べているのです。我々には新聞がある、母親向けサイトがある、若者向けサイトがある、広告主に「我々の広告の到達範囲はこれだけあります」と言おうと。
確かに前進です。しかし、広告主は読者を買いません。お客になるような人に商品サーボスの存在を知ってもらいたいだけなのです。新聞社は、ニッチ向けサイト、メール広告など、できれば10種類くらいの「出し物」を持って、クレイアントの要求に応じて提示できなければなりません。
新聞社の幹部や広告部門の人と話していると、地域企業にとってのインターネットの価値を理解していないようです。しかし、地域企業もまた理解していません。理解した人がいて、サイトを作っても、甥っ子が3年前に作ったようなレベルなのに、「会社のサイトがあるが、うまくって行っていない」と嘆くのが大部分です。
もう一つ大切なのは、「バナー広告を載せませんか」ではなく「御社のネット展開をお手伝いします」というものです。たとえば、地域向けのGoogle広告やFacebookの広告を新聞社が買い取ってもいいのです。
ー編集部門は考え方を変えるべきでしょうか
我々は意図的にそれには触れていませんが、方法論はうまくいっています。PoconoRecord紙では、まず、地域に出かけて、読者に話しかけるよう言いました。記者13人が200人の読者にインタビューをして、8,9の「地元で探せないテーマ」のリストを作りました。学校に関するものや、ゴルフ、インフラ整備、交通情報などです。そこで、それらの取材を充実させ、紙面を改革し、ネットにも展開しました。これによって、発行部数は増え、ネットのアクセスも50%増え、ネット収入も約50%増えました。起こったことは、そのサイトに行けば、地域の情報が何でも見つかると地域で思われるようになったことです。その結果、ネット広告の掲載価格も上げることができたのです。
ービデオはどうですか。
ほとんどの新聞社で写真のカメラマンが従来型ニュースをビデオを撮影して、ネットに掲載しています。これはクリステンセンが言う崩壊業界の典型です。「ウヒャー、新しい技術だから、その方向へ進むべきだ」。しかし、そんなことをやっていれば、現在の読者に、何か別の物を売っていることになります。
報告書が成長分野だとしているのは、ビジネスを扱ったミニドキュメンタリーのようなものです。オーバーレイ(サイトに重ねて表示するフラッシュの類)やプレロール(再生前に強制的に見せる広告)は全国広告には成り立つかもしれません。地域広告ではビジネスを紹介する番組をテレビよりも安価に作ることにチャンスがあります。
ーSpot.usのように記事に直接お金を払うcrowdfundingは?
調査の範囲外なので分かりませんが、私の信じる所では、慈善的な基盤でまともなジャーナリズムを営むのに十分な収入は得られません。VoiceofSanDiegoは寄付ベースの非営利法人です。私自身、クリスチャンサイエンスモニターにいたので分かっていますが、編集を支えるほどの収入は一度も得られませんでしたし、常に資金的に支えてくれたのは教会です。サイトに寄付ボタンをつけ、少額のお金が入ってきましたが、結論は、慈善ベースが最善だし、うまくいけばいいと願うが、それでは強固なジャーナリズムは無理だということです。
ー多くの人がオンライン新聞の新しいビジネスモデルが生まれると思っていますが
3年間言い続けていますが、特効薬はありません。先週も新聞経営者と会合を持ちましたが、全員が「特効薬はない」と言っていました。
必要なのは、「ニュースがすべて」という発想をやめることです。人々は毎日一度、新聞から情報を得るという時代は終わり、好きなときに好きなだけ情報を得ることができるのです。そんな時代に、マスのために編集されたニュースにさける時間は減り、自分のための情報を探す時間が増えています。私が訴えているのは、新聞は「地域の情報収集道具」になるべきだということです。
ー新聞人が破壊的起業家に方向付けできるとは思わないという批判にどう答えますか?
簡単だとは言っていません。確かに、中核ビジネスの考え方から抜けられない人もいますし、伝統的な構造、伝統的なプロセスの中で破壊的起業家になることは困難です。しかし、やらなければならないのです。さもないと、もっと収入が減り、もっと人員が減るのです。

NYTimesが有料化検討、米ベロが500人削減

1)NYTimesが有料化検討
2007年に原則無料化したNYTimesが、記事毎に数ペニー(円)を課金できるマイクロペイメント方式か、TimesReaderという専用閲覧ソフトに課金することを検討している。有料化しているメディアは、クリスチャンサイエンスモニターが1部50セント、週刊誌U.S.NewsandWorldReportが年間25ドル、ウォールストリートジャーナルが週刊2ドル(紙は2.3ドル)など。
2)米ベロが500人削減
ダラスモーニングポストなど4紙を所有するベロ社が社員3460人(パートを含む)の14%にあたる500人を削減へ。昨年希望退職90人を含む590人を削減したばかり。1年で従業員が25%減ることになる(希望退職の後には指名解雇が待っている好例。だから希望退職には従業員が殺到する)

電子新聞端末とは

◎電子新聞端末とは
有料化はWebのパスワード課金(アクセスの有料化)、専門閲覧ソフトの有料化、専門端末しかない。
Webのパスワード課金はコピペされる可能性が常にある。パスワード流出、紛失に備える必要がある。専門ソフトの有料化は産経新聞iPhone版が代表例(現在は無料)で、起動期間が限定されたソフトを販売する形。
専門端末は、すでに欧米で電子ペーパーを利用したサービスが始まっている。
1)iLiad
オランダのiRex社(フィリップス系)が、E-Ink社の電子ペーパーを使って開発したニュースリーダー。仏レゼコー紙、蘭ハンデルブラッド紙が採用。最新バージョンは768×1024ドット、16階調白黒、タッチパネル、スピーカー内蔵、無線LAN方式で端末価格は500ユーロ。HTMLかPDFで制作する。電子書籍なども閲覧できる
【レゼコーの場合】2009年2月現在、年間購読料365ユーロ。ちなみに紙は416ユーロ、Webは365ユーロ、Web+紙は526ユーロ。
http://ftp-videos.lesechos.fr/videoepaper/video-epaper-lesechos-fr.html
日本での展開はイースト(NewsMLシステムなどの開発会社)。配信システムなどの受注を狙っている。2007年神奈川新聞が5日間試行した。
http://xamler.jp/
2)Kindle
米アマゾンが2007年11月から販売。E-Ink社の電子ペーパーを使うが、最大の特徴は携帯電話網を使い、かつ、通信料をアマゾンが一括で支払う点(こうすることで、携帯電話網が空いている明け方時間に新聞を配信するなど、通信費を抑える交渉が可能)。23万冊の本、米主要新聞、海外新聞、有名ブログなどが閲覧できる。
端末は600×800ドット、4階調白黒で専用フォーマットやHTML。PDFは閲覧できない。辞書内蔵。デザイン最悪のキーボードを備える。価格は2009年2月現在359ドル。
LAタイムズが月間10ドル(紙は約13ドル、web版も13ドル)、週刊誌Timeが月間1.5ドルと格安。
http://eedition.latimes.com/newsstand/main

Unicode@Python

Pythonに限った話ではないが、PythonでUnicodeの問題に躓いたのでメモ。

Unicodeの問題はエンコードと型を区別する必要がある。エンコードは、ある文字列をどういう数字並びで表すかということで、型はある数字並びをどう解釈(表現)するかという言語内の扱いに関することだ。

1)エンコード
ソースコードがunicodeなら文字列もunicode、asciiならasciiになる。ファイルやブラウザから受け取る文字列がunicodeとは限らない。

仮に「あ」という文字を、shift-jisでは86で表し、Unicode(utf_8など)では1274で表し、「い」をshift-jisで1274で、「う」を Unicodeで86で表すとすると(実際は全然違う)、この数字がエンコードの問題だ。「あ」をshift-jisで保存すると、86と保存されるので、そのファイルをUnicodeで読み込むと「う」と表示される。当たり前の話だ。
エディタでエンコードを変更すると、文字から数字に逆に変換してくれる。

2)型
  • str_ascii = "文字列"       str型になる
  • str_u = u"文字列"        unicode型になる。

型は整数型とか浮動小数点型とかと同じで、Stringを表す型が2つある。いずれもエンコードは関係がない。もし、エンコードがunicodeなら、str_asciiは意味不明(大抵数字)になる。エンコードがasciiでもstr_uはunicode型。エラーが出ないのは後方互換性があるからにすぎない。ちょうど、エディタでどのエンコードで読み込むかに対応する。

例えば、ある変数が86だった場合、それがstr型だと、日本語Python@windowsはshift-jisを使って、「あ」と表示し、unicode型だと、「う」と表示する。
型が重要なのは、つまり、関数がどう扱っていいのか分からないからだ。len関数はasciiならバイト列を数えればいいが、unicodeなら(8bitや16,32bitが混じっているから)文頭から走査しなければならない。正規表現も文字数をどう扱うかが問題になる。また、shift-jisでは16bitの後半にエスケープ文字も8bitが使われている文字があるという問題がある。unicodeに対応したバージョンには、文字列を操作する同名の関数が実質的に2種類(asciiとunicode)あるので、どちらを使うかを決めるのが型。

3)型変換とエンコード変換@Python
  • unicode型文字列のメソッドencode (code): str型の文字列を返す
  • str型文字列のメソッドdecode(code) : unicode型の文字列を返す
  • 関数unicode(str型, code) : str型をunicode型に変換する
引数のcodeは「文字列はcodeでエンコードされていると思って変換する」という意味。省略すると一般的にはasciiだと見なされる。このデフォルト値は関数によって参照先が異なるので要注意。  たとえば、「unicode型の1274」にencode('utf_8')を適用すると、utf_8で1274は「あ」なので、asciiの「あ」である86に変換して、「str型の86」を返す。  注意点は、関数への適用、比較演算子、%展開などを適用するとき、型を調べてunicode型だったらstr型に変換が行われ、このときにencode('ascii')が使われることだ。たとえば str_u == str_ascii ではstr_asciiがunicodeに暗黙裏に変換され、 str_u == str_ascii.encode('ascii') が実行されるので、同じ文字列なのに(エンコード変換で)falseになる。
だから、printやwriteなどに直接unicode型を渡すと予想外の結果がでるので、直前でencode('utf_8')を使ってstrにするのがベスト。

主語と脳科学

 中国語にも主語がないことを調べていて読んだ「日本人の脳に主語はいらない」のメモ。脳科学なので根拠は間接的だが、仮説としても革新的だった。

 要するに、子音の多い欧米語は右脳で、母音の多い言語は左脳で言語処理する。一方、自分と他人の関係を認識する部位は右脳。これらの部位の関係は不明確だが、結果的に、子音の多い欧米語は自他認識(人称関係)を言語に反映しないではいられない。母音言語では、自他認識を言語処理と分業できるので、表現する必要がない。

 言語が、文書として時を越えて存在するようになったのは最近のことだ。それ以前、言葉は常に「between you and me」にしか存在しなかったから、youとIが言語に存在する必要はなかったかもしれない。
 日本語が学校文法(橋本文法)によって「もともと存在しない問題」に悩まされているように、中国語も欧米直輸入文法によって過度に難しくなっている。絶対に欧米語の文法を「完全に」忘れなければ「もともと存在しない問題」に悩むことになる。


macで写真処理

Photoshopレベルの画像処理ができるGimp2.6の日本語化手続き。できないことはCMYKぐらい。
windowには日本語化したものがあるが、macは英語版を一カ所だけ修正する必要がある。
インストール後、アプリケーションフォルダのGimp2.6をControlを押しながら「パッケージの内容を表示」で開き、
/Contents/Resources/share/gimp/2.0/themes/Default
まで降りていき、gtkrcをエディターで開く。
60行目に
GimpUnitComboBox::appears-as-list = 0
font_name = "osaka 12"   <<これ
}
を挿入する。フォントサイズは11ぐらいでも十分。