スキャナで入力した画像をトレースする地図ではなく、正確なデジタル地図を使いたい。そんな時のメモ。
※ この分野は、政府のIT政策で目まぐるしく状況が変わるので注意! 英単語が多いですが、検索するときに参考になると思います。いいサイト、便利なソフトが見つかったら連絡してください。
※ WIndowの場合は
カシミール3Dという驚異のソフトがあります。「趣味で作っている」とは信じがたい機能で、
様々な地図データに対応しています。利用条件については
ここに明記してあります。関連図書多数。作者・杉本智彦ってどういう人なのだろう。
地形には著作権はない。だが、保護するに値する創造性を加えた地図には著作権がある。
基盤となるデータは「国土地理院の測量結果」であることが多いので、国土地理院の承認が必要になる。ただし、印刷によってデータの精度が落ちるので、まさに地図帳というもの以外の刊行物の場合(何かを説明するための地図)は大抵許可が出るし、多くのデータは無料で使用できる。(電話をしたら、「精度の出ない地図なら勝手にどうぞ」と、迷惑そうだった)
地図のデジタル化は、統計分野(分布図)と軍事分野(巡航ミサイル誘導地図)で始まり、
GIS(地図情報システム、Geographic Information System)という分野を作っている。要するに、一度測量した地形データ、入力した統計データは共有しようという「デジタル地図運動」だ。
【shapefile系列】
民間分野では基本的には
ESRIという会社が業界リーダーで、その社がフォーマットを決めたシェープファイル(shape file)が標準フォーマットとして普及している。
このshapeファイルは、同じ名前の別の拡張子というレトロなテクニックを使う。例えば、Japan.shpには日本の図形を構成する座標の数字列が入り、Japan.shxには図形とデータの対照関係が、Japan.dbfには統計データ(というよりデータベースファイルそのもの)が入る。
詳しくはパスコの
「シェープファイルとは」を参照。もっと詳しいフォーマット情報は英語版Wikipediaの
shapefileにある。
問題はこのシャープファイルをどう読みとるか。当然ESRIのソフトが充実していて、何でもできるといっていい。エクセルのデータを地図に反映させたり、データベースから逐一データを吸い上げてリアルタイムで地図に表すということもできる。(同社の
デモ)

問題は、大企業の意志決定や自治体の災害対策、徴税という金がありそうなところを相手にしているので、使用料金が目玉が飛び出すほど高いことだ。(日常的に使うなら高くはないと思う。GoogleMapが目指しているのはこの分野だが、shapeファイルは使っていない)
そこで、フリーのGISソフト、シェープファイルが出てくる余地がある。
例えば、
GRASS GISはかなり高い水準の地図を扱うことができる。マニュアルを辞書をめくりめくり試行錯誤すれば、「ひったくりと街灯の数の相関地図」などもできるだろう。
※フリーウエア分野のデータベースは
FreeGIS.orgで探す。
世界地図、アメリカやロシアの地図データもある。世界の情報は
ここを参考。先進国の政府は大抵公開している。
※shapefileでしかできないことに、投影(projection)変換がある。先の例で、Japan.prjという追加ファイルに、Japan.shpのデータはどの地点を中心にどのような図法で書かれたものであるという情報を加えると、その2本ファイルから別の投影(例えば、
富山を中心に南を上にした平射方位図法)に変換したJapan.shpを生成できる。たとえば、NASAの
G.Projectorは利用価値大。(こういう地図にはどんな投影図法で書いたかの注意書きを掲載すべきです)
参考:地図の投影法の
いろいろとその
英訳。
【EPS系列】
shapefileがいくら便利でもillustratorで使うにはepsファイルにしたい。GISソフトにはEPSにエクスポートする機能がある。
通常の地図は地図会社がEPS版を販売している。無加工で転載する場合でもない限り、著作権上の問題はない。
国土地理院のデータをEPSに変換して公開しているサイト(
みんなの地球地図、
白地図)もあるが、無料だが出典を明記しなければならない。都合が悪い場合もあるだろう。正距方位図法なので、ちょっと北海道が気持ち悪いかもしれない。
最大の問題は、パスに名前が付いていないこと。例えば、詳細な地図をデータに応じて塗り分けたり、各都道府県に円グラフを重ね書きしたい場合、パスに名前(ID)が付いていないと、スクリプトで自動化できず、手書きになることだ。(作成時間があれば問題ではないが、折角コンピュータなんだし)
shapeファイルは、その性質上、地図に名前(国コード、市町村コードなど)が結びついている。手間はかかるが、shapefileを
R(フリーの統計ソフト)で読み込み、名前と座標データをセットにしてテキストファイルに書き出し、それをillustratorのスクリプトで読み込み、パスに名前を付加することができる。全市町村地図は上記の方法で作った。
【ラスター系列】
ベクトルデータではないデータもある。たとえは空撮写真はGoogleMapのほか、国土交通省の
空撮写真は1975年分から公開されている。許諾連絡が必要。
土地利用や標高傾斜データの情報もある。これらのデータはshapeファイルに変換することが出来る?
NASAもGoogleEarthに対抗したソフト
WorldWindを公開している。山林火災や自然現象の高解像度衛星写真が利用できる。地球温暖化データやランドサット映像、レーダー立体測量データを統合しているので、3D化が素晴らしい。
NASAのデータは基本的にはパブリックドメインだが、出典として明記すべきだろう。
自治体レベルの公開情報もある。
例えば琵琶湖河川事務所は
沿岸の航空写真を公開している。
【ネット系】
GoogleMapはいわずもがな。印刷物、報道に関する条件は以下の通り。要するに部分使用ならブランド表示が必要になる。
Print useYou may use Google Maps and Google Earth content including photographic imagery in brochures, marketing collateral, packaging, trade show displays/banners, newspapers, academic publications, journals, and books. If you wish to print screen shots for direct marketing purposes that exceed a quantity of 5,000 copies, you must obtain
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有料のGoogleMapProは年間400ドルで高解像度(4800ピクセル)のデータを供給するサービス。クレジットは必要。CNNも使用。
GoogleMapに対抗して政府が作った「
電子国土ポータル」がある。極めて詳細な国土地理院の地図が利用できる。
【地図とデータ】
大量データと地図を組み合わせた分析は、欧米で試みられている。
古く、イギリスでコレラ患者の住所を地図に落として、そこから原因になった井戸を推定したことがハシリ。米ドラマNUMBERSでもテーマになった。
日本では警視庁の例がある。(
犯罪発生マップと
交通事故発生マップ)
Rによる
カルトグラムの解説、
コロプレス図の例もある。