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AdobeCS5を買ってしまった

どう考えても、個人で買って元が取れるような代物ではないが、買ってしまった。これほど高いソフトウエアを買うのは初めてで、今後もないだろう。
PhotoshopはフリーのGimpで十分代替可能だが、IllustratorとPremiere、AffterEffectにはフリーの代替品がないから仕方がない。Premiereは絶対マスターしたいが、AffterEffectまで関心が続くだろうか。

AdobeTV:アドビによるビデオチュートリアル
リファレンス・オブ・ノンリニア:Premiereの使い方全般

CreativeCow:Adobe After Effects basics Tutorials
After Effects Style:日本語の使い方講座
ayato@web:映像全般

電子新聞の特許3:ポール・アレンの特許訴訟

マイクロソフト創業者のポール・アレンが、特許を侵害しているとして、グーグルやフェースブック、eBayなどをシアトル連邦地裁に訴えた。

対象となる特許
  • 米国特許No.6,263,507:音声映像データによって情報を閲覧する特定アプリケーション
  • 米国特許No.6,034,652,No.6,788,314:ディスプレーに近い人の注意を引くために管理ソフト
  • 米国特許No.6,757,682:ユーザーが関心のある事柄を注目させる方法
というざっくりしたもの(特許というのはそう書くものだ)で、WSJは「現在閲覧しているものに関連した商品を紹介することや、閲覧中の記事の関連記事を載せること、株価や速報記事をスクリーンの周辺で点滅させること」の背景技術だと解説している。
WSJ:Microsoft Co-Founder Launches Patent War

こんなざっくりした特許が認められるとは現在の視点では信じがたいが、発明とはそういうものだ。アメリカのブラックベリー特許訴訟では「携帯端末でメールを受信する」という特許が認められて、620億円の和解が成立している。
日米特許最前線:620億円で和解のブラックベリー訴訟の余波

グーグルは「この訴訟は、市場ではなく法廷で戦うことを選ぶ不幸な潮流を反映している」と反発しているらしい。だが、Googleこそ特許によって成長した企業で、勝手なことをいうものだ。

日本の特許もあなどれない。最新のものを見てみると、

  • 電子新聞保存管理システム及び新聞記事データ管理方法(日立ソフト、2008年9月出願):記事を日付と記事の必要性および記事の閲覧頻度から記事の削除可否を自動的に決定する(記事のジャンルことに掲載期間を設定すること)
  • 電子新聞配信システム及び電子新聞配信方法(ソフトバンク、2008年7月出願):紙媒体の新聞を購読している新聞購読者に対して、効果的に電子媒体の新聞へ移行を促す(プリント購読者情報とオンライン購読者の切り替え)
  • コンテンツ受信システム(ソフトバンク、2007年4月):電子新聞コンテンツ等の比較的表示データサイズが大きなコンテンツについても一括表示が可能になるコンテンツ受信システム(いわゆるホームサーバー)
電子新聞の特許1と同様、これほど当たり前なアイデアが特許として認められると、特許を回避しながら電子新聞は作れないだろう。1994年の動画を見ながら、特許を無効化していくほかないように思われる。

USATodayが創刊来の組織改革

ガネット系のUSATodayが、1500人の9%にあたる130人を削減し、1982年の創刊以来最大の組織改革を行うと発表した。

バージニア州マクレインの本社では、一般ニュース、スポーツ、金融、生活欄の部長職を廃止。コンテンツリングという取材グループ団(Your Life, Travel, Breaking News, Investigative, National, Washington/Economy, World, Environment/Science, Aviation, Personal Finance, Autos, Entertainment, Tech)に再編成し、その上に総括部長を置くらしい。部長級がほとんど刷新される。ガネットが2007年に買収した若者向けスポーツサイトBNQT.comの創設者を招き入れ、新しいビジネスを探る。

「プリント版への比重を減らし、デジタルコンテンツの制作を重視する」「コンテンツと広告の連動による新しいビジネスモデルを導入する」という狙いがあるという。

USATodayは1982年創刊の全国紙。短い記事(○面に続くというジャンプの廃止)とカラーの大型グラフィックスを多用し、例えば航空機墜落事故で「300人死亡」より「3人生存」に注目する「明るいニュース」を標榜した、当時としては革命的な新聞だった。
日本でもカラー化で先行した新聞を「色気違い」とせせら笑ったように、当初はこれらの動きはバカにされたようだが、数年後にはほぼすべての新聞が追随した。(ジャンプは残っているけど)

最近の新聞危機で、2007年には230万部あった部数が2010年に183万部まで減り、北米最大の新聞の座をWSJに奪われた。広告も四半期で1098ページ(2006年)から580ページに激減している。

ガーディアン紙が新マルチメディアチーム


英ガーディアンが、ロンドンタイムズに引き抜かれることになったPaul Lewis記者を引き止めて、メルチメディア特別プロジェクトチームの責任者に任命した。
同氏は、2009年ロンドンサミットの抗議デモの死亡事故で、暴行する警官の映像を入手したことで、今年の英国新聞協会賞を受賞している。まだ20代で、ガーディアンの希望の星だそうだ。
マルチメディアとクラウドソーシングを活用した発生ニュースの報じ方を探るチームで、社内から人狩りをするらしい。

小林秀明「クーデターとタイ政治」と末廣昭「タイ 中進国の模索」




「クーデターとタイ政治」は小林大使の回顧録。クーデターに遭遇したとはいえ、タイ駐在大使にネゴシエイターの役割はほとんど必要ないので、手に汗握る外交交渉という雰囲気はゼロ。むしろ、儀典長経験から来る、プロトコール重視の姿勢が垣間見えて、とても面白い。こういう知識はなかなか広まらないが、大切なことだと思う(そればかりだと白けるが)。その意味で「エリゼ宮の食卓」に似ている。

「中進国の模索」は岩波らしい内容の濃さ。「タイの微笑み」が消えてしまったのは中進国になったからだという話は、ちょっと悲しすぎる結論だ。都市化しても消えない、ホスピタリティの文化はあると思う。

耳折り箇所
  • クロントイ地区では、タクシン追放のクーデタ翌日から路上で麻薬取引が再開
  • クーデタ直後の民主改革評議会は政権を要求しない
  • すべての閣僚を表敬訪問するのは日本大使ぐらい
  • バンコクではレセプション会場早く着くことは、エチケット違反ではない(容認されている)
  • 大使館領事館が80あるのでナショナルデーや大使着任離任のパーティーが2日に一回ある(出席しないと出席してもらえない)

酒井充子「台湾人生」




著者は北海道新聞を辞めてドキュメンタリー映画の監督になった女性。
台湾の日本語世代に、日本語でひたすら語ってもらう姿を記録したドキュメンタリー映画「台湾人生」のスクリプト。盧千恵元台湾駐日代表夫人の手記もそうだが、ただただ、「古き良き日本人」を感じないではいられない。

こういうテーマこそ、テキストではいかんともしがたい、映像(音声)必須のコンテンツだ。

シネマジャーナル:『台湾人生』酒井充子監督インタビュー

ハーバードが講義配信(マイケル・サンデルの正義論)

update: YouTubeのハーバード公式アカウントでも公開されている。

私がかつて学んだ(ここまですべてが嘘)ハーバード大学が、アップルの配信サービスiTunesU上で授業の配信を開始した。
隣のMITや、シリコンバレーに近いスタンフォードなどはすでに公開していたので、メジャー大学では最も遅い導入だ。

最初の授業は政治学のマイケル・サンデル。あのロールズの「正義論=A Theory of Justice: Revised Edition (Belknap)」(邦訳は失われているので公正としての正義 再説しかない)を批判した教授で、お陰で「正義論」改訂版が出た。「Justice as fairness」とか「無知のベール」という発想はアメリカでしか出てこなかっただろう。サンデル教授がどんな講義をするか楽しみだ。

第1回目を見る限り、日本では法哲学の授業にあたる内容のようだ(このジャンルを法哲学というのは一部の大学らしい)。MBAってやっぱりバカにされているのね。

追加:正義論の新訳が出ています。円高のご時世、英語で読みましょう、2000円強ですみます。




追加:17分25秒あたりから、この授業の「危険」について注意している。
(政治哲学には)その学生なら誰でも知っている、人格的リスクと政治的リスクがある。
このリスクは、政治哲学というものが、既に知っていることと我々を向き合わせることで、我々を教育し、揺り動かすという事実から生じる。
この授業の難しさは、身近な、なんの疑問も感じない背景から、我々がすでに知っていることを取り出して、訳の分からない(strange)ものにしてしまうという事実にある。
ここにリスクがある。見慣れたものが、一度でも訳の分からないものになってしまったら、決して元には戻らない。
道徳哲学や政治哲学は、どこにあなたを連れて行ってしまうのか分からない物語だ。分かっていることは、それはあなたについての物語だということだけだ。これが、人格的なリスクだ。
政治的なリスク。政治哲学は、あなたを良き市民にするのではなく悪しき市民にする可能性があることを、覚悟しなけらばならない。この哲学は、あなたを疎外し、衰弱させる活動だ。

講義はボストンの名門テレビ局WGBHが制作したもので、固定カメラで授業を記録しただけのようなものではなく、すばらしい講堂を背景にした「講義ショー」の趣がある。東大の大講堂でもこういう授業(講義の演出という意味で)をやっているのだろうか。
これくらいの英語なら、留学生にもついていけそう。

この講義を元にした翻訳本も出るらしい。早川の機動力はすばらしい。

追加:この映像は4月4日から毎週日曜日にNHKで「ハーバード:白熱教室」として放映されるもののようだ。
NHKによると、
創立1636年、アメリカ建国よりも古いハーバード大学の歴史上、履修学生の数が最高記録を更新した授業がある。政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」である。大学の劇場でもある大教室は、毎回1000人を超える学生がぎっしり埋まる。あまりの人気ぶりにハーバード大学では、授業非公開という原則を覆し、この授業の公開に踏み切った。ハーバード大学の授業が一般の目に触れるのは、史上初めてのことである。
見事なはずだ。

豪総選挙の報道手法

オーストラリア総選挙は、1940年以来の過半数政党なし(Hung Parliament)になった。女王陛下と英国にどこまでも倣う豪州国民には感心するほかない。


豪州は、マードックの旗艦紙Australianしか全国紙がなく、テレビも同系列のABCしかない。「距離の暴虐」なんて言葉が見当違いに思われるほど、選挙報道手法はイギリス、アメリカと同水準。News社内で人材の交流もあるのだろう。

News社のサイトには、開票作業の新機軸として、WatchYourVoteを公開している。開票が進むにつれ、選挙区を表す丸が、色を変え、位置を変えていく。(円である必要はないような気もするが)

Australianで注目したいのはFlash地図。サイズは約1MBで、非常に細かい全国地図の塗り分けと、各選挙区の開票速報をリアルタイムで取り込んでいる。(AMFフォーマットで転送しているようだ)
すべての選挙区は、開票状況だけでなく、候補者紹介と過去データが1ページでまとめられている。

一方、ABC放送は地図にgoogle mapを利用している。やっぱりというか、データはAustralianと共有しているようだ。Swingという便利な言葉を使って、労働党と保守連合の伸張を比較している。
日中からLiveBlogを更新している。このように、ライブ性の高いイベントは、ブログ形式で情報をまとめるという手法が欧米では確立しているようだ。

基盤地図情報のXML解析

国土地理院の数値地図が試験期間を終え、いつの間にか、基盤地図情報閲覧サービスとして発足している。 基盤情報として測量基準点、街区境界線、標高メッシュの情報が公開されている。

ただし、XML形式なので、javascriptやepsで利用するには解体してやる必要がある。
たとえば、基盤地図情報(縮尺レベル25000)で長野県を選択すると
FG-GML-20-AdmPt25000-20080331-0001.xml (市町村代表点)
FG-GML-20-AdmBdry25000-20080331-0001.xml (境界線)
FG-GML-20-AdmArea25000-20080331-0001.xml (市町村ポリゴン)
がダウンロードできる。中身はxmlEditor(windows)かXcode(mac)で閲覧できる。

市町村ポリゴンは、タグAdmAreaを単位として島や飛び地は別扱い。多角形はタグgml:exteriorが外周を、タグgml:interiorが空洞を表している。

PythonのTreeElementモジュールは、DOMを解析してくれる。
getで属性、findで子要素、getiteratorで子孫要素リストを返してくれる。名前空間を付ける必要がある。

from xml.etree.ElementTree import *
import codecs
import Polygon

csvOut = codecs.getwriter('utf-8')(file('areadata.csv', 'w'))
strLine = u"Pref\tCode\tName\tDirection\tArea\tPointArray\r"
csvOut.write(strLine)
for pref in xrange(1,48):
    strpref = str(pref).zfill(2)
    print strpref
    unicode_file = codecs.open("FG-GML-" +strpref +"-05-Z001/FG-GML-" +strpref+ "-AdmArea25000-20080331-0001.xml", 'r', 'shift_jis').read().split('\n')
    tmp_file = codecs.open('tmp.xml', 'w', 'UTF-8')
    for line in unicode_file[2:]:
        # 1行目のDOC宣言を削除
        tmp_file.write(line)
    tmp_file.close()
    elem = parse(open('tmp.xml', 'r'))
    for e in elem.getiterator("{http://fgd.gsi.go.jp/spec/2008/FGD_GMLSchema}AdmArea"):
        pre = unicode(strpref) + u"\t"+ e.find('{http://fgd.gsi.go.jp/spec/2008/FGD_GMLSchema}admCode').text +u"\t"+ e.find('{http://fgd.gsi.go.jp/spec/2008/FGD_GMLSchema}name').text
        print pre
        for ext in e.getiterator("{http://www.opengis.net/gml/3.2}exterior"):
            for pos in ext.getiterator("{http://www.opengis.net/gml/3.2}posList"):
                strLine = pre +u"\t1"
                strPos = u""
                pointList = list()
                for coord in pos.text[:-1].split(u'\n')[1:]:
                    c = coord[1:].split(u' ')
                    strPos = strPos +u"\t" + c[0] +u"\t" + c[1]
                    pointList.append([float(c[0]), float(c[1])])
                poly = Polygon.Polygon(pointList)
                strLine = pre +u"\t1\t" + unicode(poly.area())
                csvOut.write(strLine + strPos + u"\r")
        for ext in e.getiterator("{http://www.opengis.net/gml/3.2}interior"):
            for pos in ext.getiterator("{http://www.opengis.net/gml/3.2}posList"):
                strLine = pre +u"\t1"
                strPos = u""
                pointList = list()
                for coord in pos.text[:-1].split(u'\n')[1:]:
                    c = coord[1:].split(u' ')
                    strPos = strPos +u"\t" + c[0] +u"\t" + c[1]
                    pointList.append([float(c[0]), float(c[1])])
                poly = Polygon.Polygon(pointList)
                strLine = pre +u"\t1\t" + unicode(poly.area())
                csvOut.write(strLine + strPos + u"\r")

Pythonの多角形(Polygon)モジュール

Glücklicherweise hat einer Deutcher Ingenieur, Joerg Raedler, ein zweckmäßiges Python-Erweiterungsmodul zur Behandlung von Polygon gezeigt.

PythonでPolygonを扱うモジュールをドイツのエンジニアが公開している。

Mac OSXの場合、/Library/Python/2.6/site-packages/に対応する階層のファイルをコピーすればよい。

>>> import Polygon
>>> q = Polygon.Polygon(((0.0, 0.0), (10.0, 0.0), (10.0, 5.0), (0.0, 5.0)))
>>> t = Polygon.Polygon(((1.0, 1.0), (3.0, 1.0), (2.0, 3.0)))
>>> a = q - t
>>> q.area()
50.0
>>> a.area()
48.0
多角形演算を自分で処理するのは意外と難しい。期待することはやってくれる。

TBD:ワシントンの超ローカルニュースサイトが発足

Politicoのオーナーで、グラハム家と並ぶ首都のメディア名門、Allbritton家が準備してきたワシントンDC周辺のハイパーローカルニュースサイト「TBD」が9日、スタートした。TBDとはto be determined(これから決める)という意味。

ローカルテレビ局のコンテンツとPoliticoの運営ノウハウで、ニュースメディア最後の可能性として残った「ハイパーローカルサイト」(新聞さえ報じない町内会レベルのニュースを扱うサイト)を、Allbrittonは軌道に乗せることができるのか、全米の業界人が注目している。

ワシントンポストの総務部長Jim Brady、週刊紙Washington City PaperのErik Wemple、元CBSニュースのSteve Chaggrisなどが参加している。TwitterやFacebookなどソーシャルネットワークを担当するスタッフが6人。専業記者は12人。125以上の地元有力ブログをパートナーとして組み、外向きのリンクで紹介する。読者に対しても、記事の訂正や補足を求める「ネット的価値」を重視している。
TBD編集局と、同家が所有するローカルケーブルテレビ局Newschannel 8とABC系列のWJLAが統合される(両局のサイトは廃止される)。

パーソナリゼーション機能もあり、読者はフルネーム、年齢、性別、郵便番号を登録しなければならない。Facebookからimportすることもできる。

天気予報がトップ項目になっているのは、ハイパーローカルの特徴だ。Near YouやFood&diningというコーナーは登録住所によって動的に変化するらしい(がうまく動いていないらしい)。
TBD networkは125以上のローカルブログの最新記事を紹介するもので、そのサイトにリンクしている。ライバルのワシントンポストにもリンクしている。
最初からiPhoneアプリとAndroidアプリを用意している。

総帥Robert AllbrittonはpaidContent.orgのインタビューに答えている。いわく
  • 利益を上げ、存続可能かどうかがキモだ。大抵のニュースベンチャーはこれを見落としている
  • 準備に投じた資金は500万ドル程度。TBDとNewsChannel8、WJLAが分担した
  • 今期のPoliticoは赤字。選挙シーズンでワシントンが抜け殻になるから
  • TBDはそれしか空いてなかったから。本当はワシントン地区らしい名前が欲しかった
  • Politicoで学んだことは、Web用にコンテンツを作らなければならないことだ。ワシントンポストにはできているが、テレビ局にはできていない
  • Politicoが軌道に乗るまで18ヶ月かかった。読者にも広告主にも、受け入れられるには時間がかかる

英ガーディアンのData Journalism

英ガーディアンのData Blogを担当しているサイモン・ロジャースが、ニーマン研のインタビューに答えて、Data Journalismの手法、目的などについて語っている。
Nieman Journalism Lab:How The Guardian is pioneering data journalism with free tools
このような専門的部署がないと、wikileaksのように大量データの解釈を委ねるニュースソースは現れないだろう。


  • データブログはしばしば記事の関連図表だが、かならずしもそうではない。データを選択し、編集する作業が必須。
  • ガーディアンがデータを集めることあるし、政府など公的機関が発表しているデータを加工することもある。
  • 生のデータを見たいという読者は多い。かつては生データは下調べであり、非公開にしてきたが、いまで完全公開している。データの解釈では専門家の意見のほうが的確な場合がある
  • 総選挙期間中、月間100万PV以上集めた
  • Comment is free, Facts are sacredというのはガーディアンの標語。Commentの時代は数年前に終わった。人々はFactsを探し始めている

NYTimes有料化:購読料は月10−25ドル?

来年から有料化に移行するニューヨークタイムズが、課金システムの要件決定から開発段階に進み、一部の読者に対して、購読料水準のリサーチを始めた。
paidContent.orgなどによると、以下のような12種類の購読コースに対してどのような選択をするか、を読者に尋ねている。
メーター方式で無料で読める分については、月間5本から30本まで、Webサイトや携帯、iPadやe-Readerなどすべての端末でアクセスできるフルアクセスについては、11ドルから40ドルまで幅がある。価格を決めかねているようだ。

調査の一部として、ログイン画面が紹介されている。それは、ウェブサイトが24時間2ドル、月間10ドル、全電子端末共通で25ドルという選択画面だ。このあたりが穏当なのかもしれない。

日本では、10年前まで、タイムズは年間30万円程度払っても読む必要がある研究室、大使館、商社などでしか読まれていなかった。無料サイト化によって、そもそも読む必要のない人の目に触れてしまったことが、来年から始まる塗炭の苦しみを招くことになった。

NYT Reader Survey

NewsWeek誌、米富豪に売却

ワシントンポストが、傘下の週刊誌NewsWeekを高級オーディオ「ハーマン」の創業者、シドニー・ハーマン博士(91)に売却すると発表した。売却額は発表されていないが、paidContent.orgなどによると、1ドルで7000万ドルの負債とともに売却されるらしい。メディアで顔の売れているJon Meacha編集局長は辞任する。
(なんとなく相続対策のような気がする)

5月に身売り話が報道されてから、中国資本を含めた、数多くの買収候補の名があがったが、右派NewsmaxやタブロイドのAvenue Capitalの提案、大量解雇を前提としたベンチャーキャピタルの提案には見向きもしなかったらしい。オーナー家は編集局250人態勢を提案したハーマン氏を評価したという。

NewsWeek誌はライバルTime誌の後塵を拝してきたが、ホワイトハウスのインナーサークル(裏の記者発表)にいる雑誌なので、妙なオーナーに売るわけにはいかなかったのだろう。

NYTimesがiPad用アプリPress Engineを外販

ニューヨークタイムズが、自慢のiPad,iPhone用アプリ(Press Engine)を外販すると発表、ダラス・モーニング・ニュース(ベロ社)など米5紙(うち3紙はヘラトリなど身内)と英テレグラフ紙とライセンス契約を結んだ。

Press Engineは、タイムズが開発したiPad用アプリと配信システムの総称で、最初のライセンス料のほかに、月ぎめの使用料がかかる。コードレベルで提供されるようだ。

どんな電子書籍とも共通する問題だが、フォントやルビなど、日本語独自のテキストレイアウトエンジンを内製しないと日本では使えそうもないが、電子新聞はどんな風にみえるか、というユーザーインターフェイスはNYTimesが決めてしまうかもしれない。(現在対抗できるレベルのiアプリは仏LeMondeのみ)

タイムズは、デジタルコンテンツのプラットフォーム提供を収益源にしようとしており、現在でもマルチメディアチームの人材募集を続けている。

要件をみると、どのようなソフトが標準かよくわかる。
  1. Demonstrated ability to create multimedia packages that intelligently incorporate audio, video and still images.
  2. Proficiency in Web development, including Flash, HTML and Javascript. Skill in editing and mixing audio in ProTools and/or SoundTrack Pro.
  3. Experience with Final Cut Pro, photo editing, and digital photo processing and color correction.
  4. Ability to meet deadlines and to adapt to change in a daily news production environment.
  5. Attention to detail and excellent written and oral communication skills.
  6. Experience working collaboratively with members of a mixed-media team.
  7. A keen interest in and knowledge of NYTimes.com’s competitors, both in the United States and abroad.
  8. Writing, editing and research proficiency. The ability to write solid captions is required.
  9. Comfortable with change and the unpredictable but constant flow of news.
  10. Willingness to work a flexible schedule that may include nights and weekends.
募集インターンに対する要求も贅沢だ。
  • Front-end Interactive Designer : full skill-set of client-side technologies including HTML, CSS and JavaScript/Prototype. Experience with Ruby on Rails is a plus.
  • Motion Design Storyteller : working knowledge of AfterEffects and Photoshop in producing motiongraphics. Final Cut a plus. We are looking for someone to help grow the motion design side of storytelling. So applicant must have a strong sense of timing and narrative and have the ability to implement a variety of creative styles. 
  • Interactive Flash Journalist : Advanced programming knowledge and experience in Flash and ActionScript 3. Experience with Photoshop and Illustrator is a plus.

Mark Luckieがワシントンポストに転職

ブログ「10000words」でマルチメディアコンテンツの必要性を唱えているMark Luckie氏(California Watch)が、ワシントンポストにNational Innovations Editorという肩書きで転職した。クラウドソーシングや読者交流などにデジタル技術を取り入れるリーダーになるらしい。

ポストは、ライバルのニューヨークタイムズに比べて、唯一力を注いだ動画を除いて、インタラクティブコンテンツが弱かったので、てこ入れかもしれない。NYタイムズよりも地元重視なので、全米の新聞社が注目しているのではないだろうか。

10000wordsというタイトルは、A picture is worth 1000 wordsという米ジャーナリズムの言葉を念頭に、インタラクティブコンテンツには10000語の訴求力があるという趣旨だ。Luckie氏は、カリフォルニア大バークレー校を卒業後、Center for Investigative ReportingやLos Angeles Times, Daytona Beach News-Journalで犯罪マップ連動記事などを制作してきたJournalist programmerの第一人者。

ドイツのメディアジャーナリストUlrike Langerがインタビューをしている。フリーだからというわけではなく、マルチメディアの習得にはself-learningが必要だという。
Medial Digital : Der Digitalspezialist – Multimediajournalist Mark Luckie

世論調査の誤差 3人以上の場合

統計学の教科書にサンプリングエラーの計算値が出ていても、そのまま選挙予測には使えない。

コンピュータの乱数によるシミュレーション(標本3000、10000回)で、真の値が33%(A候補)、30%(B候補)、27(C候補)%の場合の標本抽出誤差を描くと、ほぼ教科書通りの分布が得られる。
X選挙区のA候補(33%)より、Y選挙区のB候補(30%)が得票率が高くなることは、A候補が例外的に低く、B候補が同じく例外的に高くなる場合であり、このような稀な事例が同時に起こる確率は極めて低い。つまり、標本が3000もあれば、2人の得票率の順序を間違えることはほとんどない。

ところが、この3つの値が、同一選挙区の3候補の得票率だとすると、話が変わってくる。ある候補が低いとき、必ず他の候補が高くなる関係があるからだ。
シミュレーションでは、A候補とB候補の得票率の相関係数は-0.46前後、B候補とC候補は−0.4前後になる。

この結果、当落判定に関係がある(A-B)と(B−C)は右の分布図のようになる。(ABC が無相関でも右下がりになる。ここでの関心は焦点がボケていること)
とくに、A-Bがマイナスになる場合(A候補とB候補の順位が逆転)が2.1%、B-Cがマイナスになる場合が1.5%あった。
つまり、上の分布曲線が重なる部分は、5%×5%のように積になるのではなく、ほとんど5%のまま実現してしまう。



同様に、真の値が32%(A候補)、30%(B候補)、28(C候補)%の場合、分布図の重なりが大きくなるのは当然だが、ABの順位が逆転する場合が8.5%、BCの順位が逆転する場合が7.5%もある。しかも、同時におきることはなさそうにないので、順位を間違える確率は計16%もある。

実際の選挙では、このような3候補接戦になるより、強い2候補とその他候補の組み合わせがおおいので、強い候補の間の得票率の相関は-1に近くなってしまう。すると、サンプル数を1選挙区あたり3000とったとしても、5%近い差を付けていない限り、当選確実とはいえないことになる。
実査の問題点を考えれば、分布曲線はこれよりも裾広いと考えざるをえないのだから、5%の差でも判断を躊躇することになるだろう。