スロバキアの大手ニュースメディア9社が合弁会社「PianoMedia」を設立し、月間2.9ユーロで全サイトを見ることができるサービスを5月2日から開始した。
ソロバキア最大手紙「Denník SME」の前編集局長が社長で、単独では有料化に失敗した経験がある。
Pianoはいわばスロバキア版Journalism Onlineで、決済とパスワード管理をすべて引き受け、売り上げの30%を徴収する。コンテンツはPianoでコントロールするため、ユーザーが9社のどのサイトを見ていたかを時間で把握できるため、この滞在時間に応じて売り上げを配分する。
大手12社のうち9社が参加していて、厳しい独禁法があれば競争制限で訴えられそうだが、スロベキアという小国でスロベキア語という障壁があることが、英語圏にはない仕組みを可能にしている。
従来の無料サイトも残っているが、有料版限定記事や広告なし記事、時間差などの差別化を進めている。1年で人口(540万人)の0.8-1.5%が購読してくれると期待しているという。
ロードアイランドの実験
ロードアイランドのニューポート・デイリー・ニュース紙が、2年前に導入したデジタル有料化(しかも高額)について、Nieman Labにレポートが出ていた。(記者22人、部数13000部の夕刊紙)
Nieman Lab : Checking in with the Newport Daily News: Two years after a digital paywall, print is still king
同紙の「プリント・ファースト戦略」は極めて簡単だ。人口8万人のニューポートで、ウェブサイトの利用者は月間8万人。オンライン広告は年間20%づつ安くなり続ける。これでは22人の記者を維持できない。だから、印刷版購読者を維持するためだけにネットを利用するというもの。
プリント版+デジタル購読で年間245ドルだったが、今年から157ドルに値下げした。プリント版だけでも156ドル、デジタル版だけは345ドルなので、意図することは明らかだ。有料化後、即売が300部(約1割)増えたという。
一方、ロードアイランドにおけるライバル、ベロ系列のプロビデンス・ジャーナルは2011年後半に有料化で追随する。デイリーニュース有料化後には無料のローカルサイト「Newport Now」とAOLのハイパーローカルサイト「Patch」が進出しているから、無料のオプションは存在している。
レポートの筆者は、「有料化が根付くかどうかの社会実験」だと注目している。
Nieman Lab : Checking in with the Newport Daily News: Two years after a digital paywall, print is still king
同紙の「プリント・ファースト戦略」は極めて簡単だ。人口8万人のニューポートで、ウェブサイトの利用者は月間8万人。オンライン広告は年間20%づつ安くなり続ける。これでは22人の記者を維持できない。だから、印刷版購読者を維持するためだけにネットを利用するというもの。
プリント版+デジタル購読で年間245ドルだったが、今年から157ドルに値下げした。プリント版だけでも156ドル、デジタル版だけは345ドルなので、意図することは明らかだ。有料化後、即売が300部(約1割)増えたという。
一方、ロードアイランドにおけるライバル、ベロ系列のプロビデンス・ジャーナルは2011年後半に有料化で追随する。デイリーニュース有料化後には無料のローカルサイト「Newport Now」とAOLのハイパーローカルサイト「Patch」が進出しているから、無料のオプションは存在している。
レポートの筆者は、「有料化が根付くかどうかの社会実験」だと注目している。
ラベル:
編集者フォーラムニュース
統計ソフトRの使われ方
2011年2月、NYTimesのAmanda Cox嬢が統計ソフトRの会合で、データ処理がどのように行われているかを講演した。
「これが生データです」と提示するだけでは限界があることをよく認識している。
「これが生データです」と提示するだけでは限界があることをよく認識している。
鈴木茂三郎:現役大学生の政治家評伝
55年体制の一方の当事者なのにまとまった本がないと思ったそうだ。途中で力尽きていないのがすばらしい。尾崎豊が16歳で「ダンスホール」を書いたように、ちょっと信じられないが、才能というのはそういうものか。ただ、岡義武も三谷太一郎大先生も評伝書いたのは結構「大人」になってから。
著者は、このゼミで「政治と建築」の取材にも参加した。「渡辺篤史の建もの探訪」の政治版で、毎日新聞に連載された。政治家への聞き取りで、てっきり差しで話したものだと思っていたら、平机を並べた大部屋だったという「勘違い」が、権力構造と建築の関係に注目したきっかけだったそうだ(一つのエピソードとして)。
「権力の館を歩く」はマルチメディアコンテンツの絶好の素材だと思う。(実際、福田邸などはすでに失われてしまっている)
西川恵「ワインと外交」のように、政治家の意図を超えて、解釈が広がりすぎているような気がしないわけではないが、それも自分に才能がないだけのことかもしれない。
Twitterで解雇された記者
ツイッターでの発言が原因で首になった記者がブログ「10,000words」で紹介されている。無料サイトが主流のアメリカでは、記者がtwitterを利用することを促している(それによってPVを増やす)が、不用意な発言をした場合の責任は記者が負うことになっている。
10000 words:8 Journalists Who Were Fired for Tweeting
日本でも記者に身分を明かした上でのtwitterを認めているメディアがあるが、あまりにも手軽に発言できる危険性を(それがtwitterの長所なのだが)全く軽視している。
10000 words:8 Journalists Who Were Fired for Tweeting
- Octavia Nasr(CNN中東担当記者):2010年7月に死去したヒズボラの精神的指導者、ムハンマド・フセイン・ファドラッラーについて「尊敬している巨人の一人」とつぶやいた。イスラエル支持者から猛烈な抗議を受け、解雇された。(アメリカのぞっとする側面)
- Brian Pedersen(アリゾナ・デイリー・スター):2010年9月、所属する新聞を含むメディア批判、地元批判が「不適切で非プロ的なつぶやき」だったとして解雇される。労働関係調整事務所も解雇を合法と支持。
- Gavin Miller(豪ラジオアナウンサー):第一次大戦記念日に「かつての軍人は同性愛とイスラムを容認する政府のために戦ったのではない」とつぶやいたキリスト教ロビイストに対して「糞野郎」などと応答。「局のソーシャルメディアポリシーの重大な違反」として解雇。
- Damian Goddard(カナダのテレビのスポーツ記者):ゲイの結婚に反対するホッケー選手代理人の発言を「心から支持する」とつぶやく。局は「彼の発言は局の見解とは関係ありません」とコメントし、解雇。
- David Shuster(MSNBCのアンカー):保守派活動家とのtwitter上での論争を「不適切」としてツイッターのアカウントを消去。(在職中にCNNのパイロット番組を撮影したとして無期限謹慎に)
- Catherine Deveny(豪紙エイジのコラムニスト):オーストラリアのムツゴロウさん、Steve Irwinの11歳の娘について「絶対やってると思いたい」とつぶやき、コラム消滅。
- Renee Gark(アーカンソーの女性ラジオレポーター):アーカンソー大レーザーバックスの記者会見に、自分の出身大学であるフロリダ大ゲイターズの帽子をかぶって出席したら、コーチが激怒。個人アカウントで「レーザーバックスよりもゲイターズの取材がしたいのに」と呟いていたことを理由として解雇。(過去に遡及した例。番組そのものが敵の帽子をかぶって記者会見に出るという企画なので同情の余地がある)
- Markos Moulitsas(MSNBCコラムニスト):MSNBCのモーニングショーのホスト、Joe Scarboroughにtwitter上で噛み付き、スカボローの同僚の死などに言及して批判。「趣味悪く、丁寧な会話に全く相応しくない」として出演停止。
日本でも記者に身分を明かした上でのtwitterを認めているメディアがあるが、あまりにも手軽に発言できる危険性を(それがtwitterの長所なのだが)全く軽視している。
ラベル:
編集者フォーラムニュース
すべての若い記者に求められる技量
米職業ジャーナリスト協会のブログに「すべての若い記者に求められる技量」という記事が出ていた。
Jennifer Peebles : Digital media skills every young journalist needs
「正直」「正確」「公正」「面白い人物であること」「なぜ大切なのか説明できること」「大量のデータを見て、正確に速くまとめられること」「自分の記事を編集できること」「結果として人物をよりよく理解できるように、話を聞き、質問ができること」などの基本は変わらないとしながらも、「若い記者」にはそれ以前の基本的技術が求められるという。
Jennifer Peebles : Digital media skills every young journalist needs
「正直」「正確」「公正」「面白い人物であること」「なぜ大切なのか説明できること」「大量のデータを見て、正確に速くまとめられること」「自分の記事を編集できること」「結果として人物をよりよく理解できるように、話を聞き、質問ができること」などの基本は変わらないとしながらも、「若い記者」にはそれ以前の基本的技術が求められるという。
- 発生原稿を逆三角形に正確に書くこと。正しい文章を書くこと。基本的取材の礼儀。
- インタビューを録音し編集できること(流れるような質問、話題の展開ができることと同義)
- 携帯のカメラでも使用に耐える写真が撮れること(構図の基本を理解していること)
- 動画取材ができ、単純な編集ができること(編集できないで撮影できるわけがない)
- 表計算ソフトを活用できること(CARの域まで到達する必要はない)
- HTMLとCSSを理解し、Webの編集くらいはできること
- 素材に応じて、記事、写真、映像、音声など適切な表現を選択できること
- 名誉毀損、著作権の基本的理解(アナログでもデジタルでもなにも変わらない)
- 修正第一条と知る権利の基本的理解
ラベル:
編集者フォーラムニュース
ジャーナリズムのテクノロジー:Hacks/Hakers
2009年、マサチューセッツで開かれた会議で、Aron Pilhofer(NYTimes)とRich Gordon(ノースウエスタン大学のMedill)がジャーナリズムを支援するアプリケーションに関わる人々のネットワークを作ることを提案した。同じ頃、シリコンバレーで、元AP通信特派員のBurt Herman(Storify創設者)が、ジャーナリズムとIT技術の関係者が集うグループを組織した。この3人が中心になり、2009年末にカリフォルニアで最初の交流会、Hacks/Hackersが開かれた。現在では南米や欧州でも開かれている。
Rich Gordon:ノースウエスタン大ジャーナリズム学科の准教授で、ニューメディアジャーナリズム課程を始めた。マイアミヘラルドでCARを始めた第一世代。
Burt Herman:AP通信の元ソウル支局長で、2009年にナイト財団のフェローとしてスタンフォード大で起業を学ぶ
Aron Pilhofer:ガネットで記者をした後、調査報道の職業訓練コースで講師をし、Center For Public Integrityでデータベースエディタ、2005年にNYTimesのワシントン支局でCARプロジェクトに加わった。マルチメディアチームの総元締。文書共有システム、DocumentCloudの企画者。
Jennifer Lee:ハーバードで応用数学と経済を学んだ後、24歳でNYTimes記者になる。一般記者に対して、NYTimesやGuardianで行われているデジタルジャーナリズムの紹介や、Googleの各サービスやStorify, AudioBoo, Stroome,などのオンラインサービスを取材にどう活用するかを案内する。
また、ベンチャー起業によるデモ(記者管理できるCMSや、WIkileaksのローカル版=Localeaks)や技術的ノウハウ(PDFの危険性=画像ファイル化の必要性)の共有なども行われる。
一方、IT技術者に対しては、CAR(コンピュータ支援報道)がどのように行われているか、実例を紹介して、記者がどのような技術を求めているかを伝えている。
記者向けに「初めてのPython」のような講座が開かれることもあれば、中級者向けに政府の電子データの取得方法や解読ノウハウの長時間ワークショップ(いわゆるハッカソン)、技術者向けにWordPressかDrupelのどちらがいいかなどの解説も行われているようだ。
ナイト財団だけでなく、GoogleやO'Reillyなどもスポンサーになっているが、基本的には参加費ベース。米メディアの中心地、NYでは100人以上が集まるという。
おすすめ記事:
中心人物
Beth Favidz:AOLのデザイナー出身で、Medillの修士を取得後、AOLに戻って上席開発者になった。APのインタラクティブ選挙地図や、写真やビデオを取り込んだマルチメディアコンテンツなどを制作した。Rich Gordon:ノースウエスタン大ジャーナリズム学科の准教授で、ニューメディアジャーナリズム課程を始めた。マイアミヘラルドでCARを始めた第一世代。
Burt Herman:AP通信の元ソウル支局長で、2009年にナイト財団のフェローとしてスタンフォード大で起業を学ぶ
Aron Pilhofer:ガネットで記者をした後、調査報道の職業訓練コースで講師をし、Center For Public Integrityでデータベースエディタ、2005年にNYTimesのワシントン支局でCARプロジェクトに加わった。マルチメディアチームの総元締。文書共有システム、DocumentCloudの企画者。
Jennifer Lee:ハーバードで応用数学と経済を学んだ後、24歳でNYTimes記者になる。
また、ベンチャー起業によるデモ(記者管理できるCMSや、WIkileaksのローカル版=Localeaks)や技術的ノウハウ(PDFの危険性=画像ファイル化の必要性)の共有なども行われる。
一方、IT技術者に対しては、CAR(コンピュータ支援報道)がどのように行われているか、実例を紹介して、記者がどのような技術を求めているかを伝えている。
記者向けに「初めてのPython」のような講座が開かれることもあれば、中級者向けに政府の電子データの取得方法や解読ノウハウの長時間ワークショップ(いわゆるハッカソン)、技術者向けにWordPressかDrupelのどちらがいいかなどの解説も行われているようだ。
ナイト財団だけでなく、GoogleやO'Reillyなどもスポンサーになっているが、基本的には参加費ベース。米メディアの中心地、NYでは100人以上が集まるという。
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- 10, Nov. 2010:NYC Data Visualization Extravaganza
- 2, Nov. 2010:Jacqui Maher of The New York Times Talks About News Interactives in Austin
- 28, Jul. 2010:A Behind-the-Scenes Look at the New York Times “Moment in Time” Project
- 13. Apr, 2010:Don't mistake your CMS for a development platform
- 9. apr, 2010:The art of data visualization: Stamen Design event wrapup
- 26. mar, 2010:Habits of highly successful web developers (journalism edition)
ラベル:
編集者フォーラムニュース


